切削工具などを扱う専門商社のCominixは2024年11月21日、株式会社KamogawaHDの株式を取得し子会社化することを決議したと公表しました。対象グループは持株会社と国内子会社2社、海外子会社3社(フィリピン2社、ベトナム1社)で構成されています。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社Cominix(3173・東証スタンダード)
譲渡対象株式会社KamogawaHD(子会社の株式会社Kamogawa、株式会社北海道研磨材、海外子会社3社を含む)(持株会社(不動産賃貸業)。事業子会社は生産財の総合サプライヤー)
所在地京都市伏見区
手法株式取得。個人株主から普通株式23,883株とA種種類株式の全部(合計40,903株)を取得。クロージングまでに2名の株主のうち1名へ全株式を事前集約する予定
対価普通株式及びA種種類株式 4,299百万円、アドバイザリー費用等(概算額)30百万円、合計(概算額)4,329百万円
日程取締役会決議・契約締結 2024年11月21日/株式譲渡実行 2024年12月24日(予定)。実行は独占禁止法その他の競争法に基づく届出に係る審査の結果を前提条件とする

取得株式数は40,903株(普通株式23,883株、A種種類株式)で、議決権の数は23,883個、取得後の議決権所有割合は100.0%です。なお開示資料のA種種類株式の株数は「17.020株」と表記されています。取得価額は普通株式及びA種種類株式が4,299百万円、アドバイザリー費用等の概算額が30百万円で、合計の概算額は4,329百万円です(出典:株式会社Cominix 2024年11月21日公表資料)。

対象会社は2019年2月12日設立、資本金1百万円で、事業内容は不動産賃貸業です。連結売上高は7,888百万円(2022年3月期)、10,626百万円(2023年3月期)、10,373百万円(2024年3月期)、連結営業利益は375百万円、530百万円、320百万円、連結純資産は1,571百万円、1,957百万円、2,417百万円です(出典:株式会社Cominix 2024年11月21日公表資料)。

公表時点の大株主は個人2名で、持株比率は58.4%と41.6%です。開示資料は、クロージングまでに一方の株主が保有する全株式をもう一方の株主に事前集約する予定であると注記しています(出典:株式会社Cominix 2024年11月21日公表資料)。

取得の理由として買い手は、対象グループの中核会社が1949年の京都での創業以来、大手メーカーを取引先とした商社機能のみならず開発やものづくりを行い「メーカー機能を備えた商社」として独自の業態を確立していると説明しています。株式譲渡実行日は2024年12月24日を予定し、実行は独占禁止法その他の競争法に基づく届出に係る審査の結果を前提条件としています(出典:株式会社Cominix 2024年11月21日公表資料)。

出典: 株式会社Cominix(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式会社KamogawaHDの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年11月21日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

株主が二人いて、クロージングまでに一方へ全株式を集めると書かれています。譲渡の前に株式を一人にまとめるという段取りです。株主が分かれていると、買い手は全員から同じ条件で買う必要があり、話が進みにくくなります。先に集めておくと、あとの手続が軽くなります。

取得の対象に、普通株式のほかにA種種類株式が入っています。議決権の数は普通株式の分だけです。つまり、議決権のない株式も別に存在していたということです。過去に資金を入れてもらった経緯がある会社では、こうした株式が残っていることがあります。自社の株式に種類があるかどうかは、譲渡を考える前に確かめる項目です。

対象は会社一社ではなく、持株会社とその下の五社です。しかも三社は海外にあります。まとめて渡す形になると、それぞれの国の手続が関わってきます。海外に会社を持っているなら、その分だけ調べる範囲が広がると考えておくほうがよいです。

持株会社そのものの事業は不動産賃貸業です。事業を営むのは下の会社で、上の会社は株式と不動産を持っています。オーナーが会社を複数使って資産を分けている形は中小企業でもよくあります。どの会社に何が入っているかを整理しておかないと、渡す範囲が決まりません。

実行は、競争法に基づく届出の審査結果が前提条件になっています。同じ業界で規模が一定を超えると、当事者の合意だけでは実行できません。契約から実行まで一か月ほど空いているのは、このためです。

この業種のM&A・事業承継のページを見る

本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。