化粧品のコーセーは2024年12月10日、タイのPURI CO., LTD.の株式1,062,702株を取得する株式譲渡契約を締結したと公表しました。取得後の議決権所有割合は79.89%となります。開示資料は英文で公表されています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社コーセー(4922・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | PURI CO., LTD.(美容・フレグランス製品の販売および流通、スパ・ウェルネスサービス) |
| 所在地 | タイ・バンコク |
| 手法 | 株式取得。買い手とタイに新設する特別目的会社を通じて議決権の79.89%を取得。残りの株式は今後3〜5年かけて取得する見込みと記載 |
| 対価 | 非開示(当事者間の守秘義務契約により非開示) |
| 日程 | 株式譲渡契約締結 2024年12月10日/株式譲渡実行 2024年12月30日(予定) |
開示資料は、取得が買い手とタイに新設する特別目的会社を通じて行われ、残りの株式は今後3〜5年かけて取得する見込みであると記載しています(出典:株式会社コーセー 2024年12月10日公表資料)。取得価額は当事者間の守秘義務契約により非開示とされています。
対象会社は2003年設立、資本金13百万タイバーツ(1タイバーツ=4.5円で換算して約58.5百万円)で、美容・フレグランス製品の販売および流通とスパ・ウェルネスサービスを行っています(出典:株式会社コーセー 2024年12月10日公表資料)。
対象会社の売上は197百万タイバーツ、313百万タイバーツ、580百万タイバーツ、営業利益は△62百万タイバーツ、12百万タイバーツ、113百万タイバーツ、純資産は85百万タイバーツ、89百万タイバーツ、174百万タイバーツと推移しています(出典:株式会社コーセー 2024年12月10日公表資料)。
株式譲渡の実行日は2024年12月30日を予定し、同日付で対象会社が買い手の連結子会社になる見込みとしています。2024年12月期の連結業績への影響は軽微と見込むとしています(出典:株式会社コーセー 2024年12月10日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手はいきなり全部を取っていません。まず八割を取り、残りは今後三年から五年かけて取得する見込みだと書かれています。渡す側から見れば、数年にわたって少しずつ渡す形です。全部を一度に手放すのが不安なときの選択肢になります。
ただし、残りをいつ、いくらで渡すのかを決めておかないと、数年後に話が止まります。価格の決め方、時期、どちらかが売らない・買わないと言ったときの扱いを、最初の契約に書いておく必要があります。
対象会社は三期前に営業赤字でした。そこから売上が三倍近くに伸び、黒字になっています。伸びている途中の会社が、その伸びを支えられる相手を選んだ形です。数字が右肩上がりであることは有利に働きますが、その前に赤字だった時期があっても妨げにはなりません。
取得価額は当事者間の守秘義務契約により非開示です。相手が海外の会社でも、金額を出さない形は取れます。
評価されているのは製品そのものだけではなく、ブランドと、スパを含めた顧客との接点でした。自社が何を持っているのかを、商品名ではなく顧客との関係で言えると、伝わり方が変わります。