アパレル関連資材・生活産業資材・自動車内装部品の製造販売を手がけるモリトは2025年1月24日、取締役会において、作業服・ユニフォーム業界向けの服飾資材総合販売を主力とする株式会社ミツボシコーポレーション(広島県福山市)の株式を取得し子会社化することを決議したと公表しました。現金を対価として株式の100%を取得します。
開示された事実
| 譲受(買い手) | モリト株式会社(9837・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ミツボシコーポレーション(服飾資材総合販売、アパレル製品生産管理、リサイクル) |
| 所在地 | 広島県福山市 |
| 手法 | 株式取得(現金を対価とする100%取得・子会社化) |
| 対価 | 対象会社の普通株式1,062百万円、アドバイザリー費用等の概算額25百万円、合計の概算額1,087百万円 |
| 日程 | 取締役会決議 2025年1月24日/契約締結日 2025年1月24日(予定)/実行日 2025年4月1日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は普通株式132,752株で議決権所有割合は100%、取得価額は対象会社の普通株式が1,062百万円、アドバイザリー費用等の概算額が25百万円、合計の概算額は1,087百万円です。対象会社の売上高は直近3期で6,694百万円、7,414百万円、7,462百万円、営業利益は88百万円、5百万円、66百万円と記載されています(出典:モリト株式会社 2025年1月24日公表資料)。
対象会社は1959年設立で、服飾資材総合販売事業、アパレル製品生産管理事業、リサイクル事業を営んでいます。株主は個人株主13名と従業員持株会などで構成されていると記載されています。
取得の理由として同社は、中期経営計画でM&Aを重点施策の一つに位置づけ、ニッチトップであること・自社事業とのシナジー・事業面の安定性を基本要件に検討してきたこと、対象会社の販売方法と商品のノウハウを獲得して売上規模の拡大を見込むこと、季節性や流行に左右されにくい作業服・ユニフォーム業界で自社の付属品の強みを発揮できると考えていることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が求めた条件が開示にそのまま書かれている点が参考になります。ニッチな分野で上位にいること、既存事業とつながること、業績が安定していること——上場企業が中小企業を検討するときの標準的な物差しです。自社がどれに当てはまるかは、譲渡を考える前に整理しておける材料です。
対象会社は創業から半世紀を超えており、株主が個人と従業員持株会に分かれています。株主が分散している会社では、全株式を集めるための合意形成が交渉とは別の作業として必要になります。早い段階で株主構成を確認しておくことが、後の日程に直結します。
季節性や流行に左右されにくい取引先を持つことが、買い手にとっての評価点として書かれています。売上の絶対額ではなく、売上の安定性が見られているということです。取引先の業界構成は、自社の強みとして説明できる材料になります。