水と環境の分野でコンサルティングを手がけるNJSは2025年3月25日、取締役会においてCDCアクアサービス株式会社の株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社NJS(2325・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | CDCアクアサービス株式会社(上下水道事業に係るアウトソーシングサービス、上下水道関連ソフトウェアの開発・保守) |
| 所在地 | 千葉県千葉市中央区 |
| 手法 | 株式取得(親会社である法人から全株式を取得し子会社化。対象会社は前年に親会社の水道関連事業を吸収分割で承継した会社) |
| 対価 | 未定(開示資料に「取得価額は交渉中のため開示を控える」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議 2025年3月25日/契約締結 2025年3月下旬から4月上旬(予定)/株式譲渡実行 2025年4月上旬(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は2,000株で議決権所有割合は100%、取得価額は交渉中のため開示を控えるとされています。対象会社は2022年12月設立、資本金20,000,000円で、株式は親会社である法人が保有しています。対象会社は2024年4月1日付で、親会社の水道関連事業を吸収分割(分社型)により承継しており、承継の対象となった親会社の水道関連事業の売上高は2,323,835千円、2,422,038千円、2,182,449千円と記載されています(出典:株式会社NJS 2025年3月25日公表資料)。
対象会社は上下水道事業に関する料金管理、各種申請、コールセンター等のカスタマー向けサービスを展開し、モバイルシステム、スマートメーター、電子契約等の自治体向けサービスも提供しています。
取得の理由として同社は、施設の老朽化や災害の甚大化などインフラ管理の課題が増大していること、事業戦略の立案から調査・設計、管理と更新のマネジメントまで一貫して提供する体制への転換を事業方針としていること、自社のコンサルティングおよびソフトウェアサービスと対象会社のカスタマーサービスが融合することで地域の上下水道事業の進展を推進できることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
取締役会で取得を決議した時点で、価格は「交渉中」とされ、契約の締結時期も幅を持たせて書かれています。決議と契約は同じタイミングではないことがあります。買い手の社内で方針が決まってから、条件を詰める段階が残っているという状態です。
対象会社は前年に、親会社から事業を吸収分割で受け入れて作られた会社です。渡す事業を先に別会社に移しておき、その会社の株式を譲るという段取りです。売り手が譲渡を見据えて会社の形を整えていたと読めます。
そのため対象会社自体の決算はごく短く、規模も小さく見えます。開示では、承継した事業の売上高を別に示しています。分割で作られた会社を見るときは、元の事業の実績を併せて見ないと規模を読み違えます。
買い手が求めたのは、自社が持たない「顧客と直接やりとりする機能」でした。設計や管理を請け負ってきた会社が、住民対応や料金の窓口を手に入れています。同じ業界の中でも、担っている工程が違えば互いに補う関係になります。