エンゼルグループは2023年11月8日、完全子会社である株式会社エンゼルフォレストリゾート(AFR)を承継会社、三井不動産株式会社および株式会社三井の森を分割会社として、群馬県吾妻郡嬬恋村所在の浅間高原別荘地に係る別荘地管理事業を吸収分割により承継することを公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | エンゼルグループ株式会社(5534・TOKYO PRO Market) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 三井不動産株式会社および株式会社三井の森(いずれも分割会社) |
| 譲渡対象 | 群馬県吾妻郡嬬恋村所在の浅間高原別荘地に係る別荘地管理事業(別荘地管理事業(分割会社が複数エリアで営む別荘地管理事業の一部)) |
| 所在地 | 群馬県吾妻郡嬬恋村 |
| 手法 | 吸収分割(簡易吸収分割)。買い手の完全子会社である株式会社エンゼルフォレストリゾート(AFR)を承継会社、三井不動産および三井の森を分割会社とする。分割会社が本事業に関して有する不動産その他の権利義務を承継するが、雇用契約は承継しない。債務の承継は免責的債務引受の方法による |
| 対価 | 対価の交付なし(開示資料は、承継対象権利義務に代わる金銭等の対価を交付しないとし、当該対価の算定について本事業の業績、資産負債の状況を総合的に勘案し4社の協議のうえ決定したと記載) |
| 日程 | 2023年11月8日 取締役会決議・吸収分割契約締結/2024年4月1日(予定) 効力発生日 |
本吸収分割に際し、承継会社から分割会社への株式その他財産の交付はありません。開示資料は、対価の算定について本事業の業績、資産負債の状況を総合的に勘案し、4社の協議のうえ決定したと記載しています。
承継する権利義務は、分割会社が本事業に関して有する不動産その他の権利義務です。開示資料は、雇用契約は承継しないと明記しています。債務の承継は免責的債務引受の方法によるとしています。
承継する事業の売上高は、三井不動産(2023年3月期)が0百万円、三井の森(2022年12月期)が96百万円です。承継する資産・負債の帳簿価額は、三井不動産(2023年3月31日現在)が流動資産760百万円・固定資産24百万円の合計784百万円で負債なし、三井の森(2022年12月31日現在)が流動資産250百万円・固定資産80百万円の合計330百万円、流動負債27百万円の合計275百万円です(出典:エンゼルグループ株式会社 2023年11月8日公表資料)
承継会社は1972年3月1日設立、資本金100百万円で別荘地管理運営事業を行っており、合計9,258区画の別荘地管理運営事業を展開していると記載されています(出典:エンゼルグループ株式会社 2023年11月8日公表資料)
買い手は、2023年9月21日にTOKYO PRO Marketへ株式を上場したこと、本事業の譲受について分割会社の経営陣に提案し協議を重ねたことを記載しています。効力発生日は2024年4月1日の予定です。
中小企業の経営者は、どう読むか
対価の交付がありません。渡す資産と引き受ける負債を見比べた結果、やり取りするお金が無いという結論になった形です。買うのに必ずお金が動くとは限りません。
それでも「対価の算定をした」と書かれています。ゼロという結論も、算定した結果の一つです。
雇用契約は承継しないと明記されています。事業だけを渡し、人は分割会社に残る形です。会社ごと渡す株式譲渡では従業員もそのまま移るので、ここが大きく違います。
債務は免責的債務引受の方法で移ります。渡した側が債務から外れる形で、債権者の承諾が関わる論点です。
分割会社の一社では、この事業の売上が計上されていません。大きい会社の中では見えなくなっている事業が、別の会社では主力になりえます。
買い手の側から提案して協議を重ねたと書かれています。売りに出ていない事業でも、買いたい側から声をかけることはできます。
公表から効力の発生まで五か月近くあります。不動産や契約の移し替えに時間がかかります。