セーラー広告は2024年3月1日、株式会社メディア・エーシーの全株式を取得することについて協議を開始すると公表しました。開示資料は、両社が全株取得を両社の課題解決にとって最善の方法であり、営業力と提案力の強化を図ることがグループ全体の企業価値向上につながると考え、協議を開始することとしたと記載しています。これは取得の決定ではなく、協議の開始です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | セーラー広告株式会社(2156・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | メディア・エーシーの株主(個人3名が51%・35%・14%を保有) |
| 譲渡対象 | 株式会社メディア・エーシー(販売促進計画の企画立案、VI/CI計画・デザイン制作、各種広告素材・各種販促物の企画制作、屋内外サインの計画・施工、ホームページの制作、Webマーケティング支援、イベントの企画・運営) |
| 所在地 | 高知県高知市 |
| 手法 | 株式譲渡(全株式の取得)に向けた協議の開始。決定ではなく、協議の開始です。基本合意の締結は2024年5月下旬頃を予定、株式譲渡は2024年6月を目処としている |
| 対価 | 開示資料に取得価額の記載はない(協議の開始の段階) |
| 日程 | 2024年3月1日 協議開始の公表/2024年5月下旬頃 基本合意の締結(予定)/2024年6月 株式譲渡(目処) |
対象会社は、所在地が高知県高知市杉井流8番1号、事業内容が販売促進計画の企画立案、VI/CI計画・デザイン制作、各種広告素材・各種販促物の企画制作、屋内外サインの計画・施工、ホームページの制作、Webマーケティング支援、イベントの企画・運営、資本金が1,000万円、設立年月日が1996年4月1日です(出典:セーラー広告株式会社 2024年3月1日公表資料)
対象会社の株主は個人3名で、持株比率は取締役会長が51%、代表取締役社長が35%、専務取締役が14%と記載されています。買い手との間に資本関係・人的関係・取引関係はありません(出典:セーラー広告株式会社 2024年3月1日公表資料)
対象会社の経営成績は、2023年3月期が売上高261,272千円、2022年3月期が売上高259,846千円、2021年3月期が売上高249,126千円です。財政状態は2023年3月期末の純資産が51,509千円、総資産が140,785千円です(出典:セーラー広告株式会社 2024年3月1日公表資料)
開示資料は協議開始の理由について、買い手が中国四国エリアを中心に広告事業を展開しており、高知エリアではさらなるシェア拡大のために新たな顧客と優秀な人材の確保が課題であると認識してきたこと、対象会社はマス媒体のほか販促ツールデザインやホームページ制作などのWebマーケティングを手掛けて安定した業績を確保してきたが、さらなる成長には営業力や企画提案力の強化が不可欠であると認識してきたことを挙げています。
今後の見通しとして、株式譲渡は2024年6月を目処に協議を進めており、基本合意の締結は2024年5月下旬頃を予定していると記載されています。詳細等が確定したら追加開示事項として速やかに開示するとしています。
開示資料に取得価額の記載はありません。
出典: セーラー広告株式会社「株式会社メディア・エーシーの全株式取得に関する協議開始のお知らせ」(2024年03月01日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
これは買うと決めた開示ではありません。協議を始めると知らせた開示です。
値段も日程も、まだ書かれていません。基本合意はこの二か月あと、譲渡はその翌月を目処としています。
上場会社は、決まる前の段階でも知らせることがあります。中小企業同士なら表に出ない段階です。
対象会社の株は三人の役員が分けて持っています。会長が五割一分、社長が三割五分、専務が一割四分です。
一人では過半数に届かない形もありますが、ここは会長が過半数を持っています。決めるのは会長です。
株主が複数いる会社を売るときは、全員が同じ時期に同じ条件で売る合意を先に作ります。
一人でも降りれば、買い手は全株を取れません。だから基本合意の段階で全員の署名を集めます。
両社とも、課題は営業力と人の確保だと書いています。売る側も買う側も、同じところで困っています。