飯野海運は2024年3月25日、英国子会社IKK UK 2 LTDの増資を引き受けること、及び同子会社がルクセンブルクのStrand 111 S.à r.l.の株式を取得することを決議したと公表しました。取得するのは2,453,055株で、議決権所有割合は100%となります。取得金額は2,625,255GBP(501百万円。1GBP=190.75円で計算・予定)です(出典:飯野海運株式会社 2024年3月25日公表資料)

開示された事実

譲受(買い手)飯野海運株式会社(取得は英国子会社 IKK UK 2 LTD が行う)(9119・東証プライム)
譲渡(売り手)Strand 111 SV S.à r.l.(目的会社の出資構成100%)
譲渡対象Strand 111 S.à r.l.(不動産業(ロンドン中心部のオフィスビル1棟を保有))
所在地ルクセンブルク
手法海外子会社の増資の引受と、その子会社による株式取得(2,453,055株・議決権所有割合100%)。増資後の子会社の資本金の額及び目的会社の資本金又は出資の額が買い手の資本金の100分の10以上に相当するため、両社は特定子会社となる。開示資料は、株式の取得完了までに売買条件として売主による目的会社の増資が行われ債務超過は解消すると記載
対価株式の取得金額 2,625,255GBP(501百万円。1GBP=190.75円で計算・予定)。あわせて英国子会社への増資の払込金額は20,000,000GBP(3,815百万円・同レート)
日程2024年3月25日 取締役会決議・増資の払込(予定)/2024年3月26日 契約締結(予定)/2024年3月28日 株式譲渡(予定)

英国子会社への増資は、払込金額が20,000,000GBP(3,815百万円・同レート)、払込日が2024年3月25日(予定)で、増資後の資本金の額は20,001,000GBPとなります。増資前の資本金は1,000GBPでした(出典:飯野海運株式会社 2024年3月25日公表資料)

開示資料は、本増資及び株式取得により英国子会社の資本金の額及び目的会社の資本金又は出資の額が買い手の資本金の100分の10以上に相当するため、両社が特定子会社となると記載しています。

目的会社は、所在地がルクセンブルク、事業内容が不動産業、資本金又は出資の額が6,970,196GBP、設立年月日が2018年8月3日です。出資構成はStrand 111 SV S.à r.l.が100%です。買い手との資本関係・取引関係はなく、人的関係については執行役員1名が目的会社役員を兼務する予定と記載されています(出典:飯野海運株式会社 2024年3月25日公表資料)

目的会社の財政状態は、2023年12月期末の純資産が▲10百万GBP、総資産が52百万GBPです。純資産は2021年12月期末が5百万GBP、2022年12月期末が▲7百万GBPでした。経営成績は2023年12月期が売上高3百万GBP・当期損益▲6百万GBPです。開示資料は2023年12月期の数値が未監査であると注記しています(出典:飯野海運株式会社 2024年3月25日公表資料)

開示資料は、株式の取得完了までに売買条件として売主による目的会社の増資が行われ債務超過は解消し、売買完了時の資本金又は出資の額は21,970,196GBPとなる見込みと注記しています(出典:飯野海運株式会社 2024年3月25日公表資料)

開示資料は取得の理由について、買い手が2020年に英国ロンドンでオフィスビルを取得、2022年に米国の不動産開発案件への出資を行うなど英米を中心とした海外不動産事業を推し進めてきたこと、ロンドン中心部のオフィスエリアで長期のテナント契約を有し環境性能評価で高い評価を得ている物件を保有する目的会社の株式取得を決議したことを記載しています。参考として、物件が地上7階・地下1階、賃貸面積約3,510平方メートル、建築年2002年と記載されています(出典:飯野海運株式会社 2024年3月25日公表資料)

出典: 飯野海運株式会社「海外子会社の増資及び株式取得に関するお知らせ」(2024年03月25日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

買うのは会社ですが、その会社が持っているのはビル一棟です。器ごと受け取る形です。

不動産を直接買うのではなく、持っている会社の株を買います。登記や税の扱いが変わります。

中小企業でも同じことがあります。本社の土地を別会社に持たせている形です。

その会社の株を売れば不動産が動き、不動産を売れば会社に現金が残ります。選び方で結果が違います。

この目的会社は純資産が負でした。売買の条件として、売主が先に増資して解消すると書いてあります。

債務超過は、売る前に売り手の側で直すという約束です。買い手は直った状態で受け取ります。

どちらが直すのかを決めていないと、値段の話が最後まで決まりません。

買い手は、自社の英国子会社に先に増資して資金を入れ、その子会社に買わせています。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。