岩谷産業とコスモエネルギーホールディングスは2024年3月28日、資本業務提携に関する協議を行っていると連名で公表しました。これは提携の決定ではなく、協議の開始と進行の知らせです。両社は、それぞれが有する経営資源やノウハウを結集しながら連携を深めていくことが新たなシナジーを創出し企業価値向上に資するとの見解を共有するに至り、具体的な検討及び協議を開始していると記載されています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 岩谷産業株式会社(8088・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 市場での追加取得(開示資料に譲渡人の記載はない) |
| 譲渡対象 | コスモエネルギーホールディングス株式会社(東証プライム・コード5021)(石油開発事業や石油事業、石油化学事業に加え、再生可能エネルギー事業) |
| 所在地 | (本開示に所在地の記載はない) |
| 手法 | 資本業務提携に関する協議の開始。決定ではなく、協議の開始です。資本提携の内容として、岩谷産業が2024年3月27日にコスモエネルギーHDの株式250,000株を追加取得し、議決権保有割合が20.07%となった(持分法適用関連会社化)ことが記載されている |
| 対価 | 開示資料に追加取得の価額の記載はない |
| 日程 | 2024年3月27日 株式250,000株の追加取得/2024年3月28日 協議の公表。業務提携の内容は両社間で合意に達した時点で速やかに公表すると記載 |
資本提携の内容として、開示資料は、岩谷産業が2024年3月28日付の別の開示のとおり、2024年3月27日にコスモエネルギーHDの株式250,000株の追加取得を行った結果、議決権保有割合が20.07%になったと記載しています(出典:岩谷産業株式会社・コスモエネルギーホールディングス株式会社 2024年3月28日公表資料)
開示資料は、両社がとりわけ水素分野で協業関係を強化してきたことを記載しています。2022年3月8日に水素事業での協業検討に関する基本合意書を締結し、2023年2月には水素ステーション事業協業を目的とした合同会社を、2023年11月には水素関連プロジェクトのエンジニアリング事業協業を目的とした合同会社を設立しています。
現在検討及び協議中の業務提携においては、脱炭素社会の実現に向けた取り組みに加え、既存の取引分野に関する関係強化についても検討を進めることとしており、早期に合意できるよう協議を行うと記載されています。
開示資料は、資本業務提携の実現に向けて協議を進めるが、その内容につき両社間で合意に達したら速やかに公表すると記載しています。
参考情報として、岩谷産業は中期経営計画で『水素エネルギー社会の実現に向けて』をテーマとし、水素の国内サプライヤーとしてCO2フリー水素サプライチェーンの構築など脱炭素関連の需要を捉えた事業の拡大に取り組んでいると記載されています。
コスモエネルギーグループについては、石油開発事業や石油事業、石油化学事業に加え、再生可能エネルギー事業を展開していると記載されています。開示資料に追加取得の価額の記載はありません。
出典: 岩谷産業株式会社・コスモエネルギーホールディングス株式会社「岩谷産業株式会社及びコスモエネルギーホールディングス株式会社による資本業務提携に関する協議のお知らせ」(2024年03月28日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
提携の中身はまだ決まっていません。協議を始めたという知らせです。
ただし資本のほうは先に動いていて、議決権が二割を超えました。
二割を超えると、会計上は持分法適用関連会社になります。相手の利益が自社の決算に乗ります。
中小企業の譲渡でも、同じ段取りがあります。先に少し持ち、話を詰めてから踏み込む形です。
この二社は、二年前から水素で基本合意を結び、共同の会社を二つ作ってきました。
いきなり資本を入れたのではなく、一緒に仕事をしてから資本に進んでいます。
売る側から見ても、これが安全な順番です。相手の仕事ぶりを見てから渡すものを決めます。
逆に、会ってすぐ資本の話になる相手には、何を見て決めたのかを聞きます。