化学メーカーのUBEは2024年10月3日、LANXESS社グループが手がける高機能ウレタン樹脂事業を取得する契約を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | UBE株式会社(4208・東証プライム市場) |
|---|---|
| 譲渡対象 | LANXESS社のウレタンシステムズ事業(高機能ウレタン樹脂事業)(熱硬化性ウレタンエラストマー用の高機能ウレタン樹脂の製造・開発・販売) |
| 所在地 | 北米を中核としたグローバル |
| 手法 | 事業取得(対象事業に係る株式譲渡契約の締結) |
| 対価 | 取得価額(参考値)約460百万ユーロ(約736億円)。開示資料に「対象事業の企業価値ベース」であり「実際の取得価額は株式譲渡契約に定める価格調整を実施した金額となる予定」と記載。アドバイザリー費用などの手数料は含まれていない |
| 日程 | 2024年10月3日 契約締結(取締役会決議日)/2025年前半 買収実行予定(関係規制当局の承認等が前提) |
開示資料によれば、取得価額(参考値)は約460百万ユーロ(約736億円)です。この参考値は対象事業の企業価値ベースであり、実際の取得価額は株式譲渡契約に定める価格調整を実施した金額となる予定と記載されています。またアドバイザリー費用などの手数料は、必要各国の手続きに係る費用などが未確定のため含まれていないと記載されています。換算は1ユーロ160円としています(出典:UBE株式会社 2024年10月3日公表資料)。
日程は、契約締結日が2024年10月3日(取締役会決議日)、本件買収実行日が2025年前半の予定です。買収実行日は関係規制当局からの承認等に関連する前提条件の充足完了後となるため、変更となる可能性があると記載されています。買収のための資金は、自己資金及び有利子負債調達により充当する予定です(出典:UBE株式会社 2024年10月3日公表資料)。
対象事業は熱硬化性ウレタンエラストマー用の高機能ウレタン樹脂のトップメーカーの一つで、開示資料は70年以上の実績の中で培った専門知識と用途開発のノウハウ、顧客基盤を強みとし、最大拠点である北米を中核としたグローバルでの製造・開発拠点からカスタムメイドのソリューションを提供していると説明しています。買い手は自社のポリカーボネートジオール及びポリウレタンディスパージョンの川下・周辺領域に当たる事業と位置づけています。
中小企業の経営者は、どう読むか
公表された金額には、参考値であるという注記と、企業価値ベースであるという注記と、実際の金額は価格調整のあとに決まるという注記が付いています。中小企業の譲渡でも同じことが起きます。契約書に書いた金額と、実際に振り込まれる金額は、あいだに挟まる調整によってずれます。
企業価値ベースという言い方は、借入を含んだ事業全体の値段を指します。株主が受け取る金額は、そこから借入を引いたものになります。同じ会社について二つの数字が出てくるので、相手がいまどちらの話をしているのかは、その場で確かめておくことになります。
アドバイザリー費用などの手数料は含まれていない、という注記も付いています。売り手の手元に残る金額を考えるときも、税金と手数料を引いた後の額で見ることになります。
契約締結から実行までのあいだに、各国の規制当局の承認という工程が挟まっています。中小企業の譲渡でも、許認可の承継や取引先の承諾といった、契約のあとに済ませる手続きが入ることがあります。そのあいだは、契約があっても取引は終わっていません。