ジュエリーや衣料品を手がけるヨンドシーホールディングスは2024年10月11日、取締役会において株式会社羅針の株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社ヨンドシーホールディングス(8008・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社羅針(腕時計の販売・買取事業、腕時計の法人営業事業(高級ブランド時計のリユース・銀座に買取専門サロン)) |
| 所在地 | 東京都中央区銀座 |
| 手法 | 株式取得(投資事業有限責任組合ほかから株式を取得し、議決権の97.2%を保有して子会社化) |
| 対価 | 株式取得価額10,492百万円、アドバイザリー費用等の概算額50百万円、合計の概算10,542百万円 |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年10月11日/株式譲渡実行日 2024年12月2日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は341,700株で取得後の議決権所有割合は97.2%、取得価額は株式取得価額が10,492百万円、アドバイザリー費用等の概算額が50百万円、合計の概算は10,542百万円です。対象会社の株主は投資事業有限責任組合が70.4%を保有し、ほかに法人株主2社と個人株主1名がいます。対象会社は2006年7月設立、資本金8百万円で、売上高は直近3期で13,453百万円、15,082百万円、18,579百万円、営業利益は1,340百万円、995百万円、1,555百万円です(出典:株式会社ヨンドシーホールディングス 2024年10月11日公表資料)。
対象会社は高級ブランド時計を専門に扱うリユース事業を運営し、国内に3店舗を展開しています。全社で真贋の判定力を共有し、仕入・鑑定の体制を確立していること、買取事業では熟練の鑑定士・技師が在籍し銀座で買取専門サロンを展開していることが記載されています。
取得の理由として同社は、中期経営計画で新たな事業領域の拡大を掲げ、M&Aなどの成長投資により事業領域を広げる目標を掲げていること、リユース業界は消費者の価値観の変化により持続的な成長が見込まれること、自社が培ってきたブランドビジネス・Webマーケティング・店舗開発のノウハウを活かして対象会社の成長性を高めることを挙げています。既存事業とは異なる分野であるとしつつ、対象会社の専門知識と市場での位置づけを活かすとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
株式の大部分を持っていたのはファンドで、ほかに法人と個人が少しずつ持っていました。ファンドが引き受けた会社が、数年後に事業会社へ渡るという流れです。ファンドへの譲渡を検討する経営者にとって、その先に何が起きるかを示す例になります。
取得後の議決権は全部ではなく、わずかに他の株主が残ります。過半数をはるかに超えていれば経営はできるので、全株式を集めきらずに決着することもあります。少数株主が残る形では、その後の扱いを契約で決めておくことになります。
買い手が評価したのは、本物かどうかを見分ける力と、それを全社で共有している体制でした。人に属する技能を、組織として持っていることが価値になっています。属人的な技能を仕組みに落としてあるかどうかは、買い手が見る点です。
買い手は自分の既存事業とは異なる分野だと明言しています。それでも自社が持つ販売と店舗開発のノウハウが効くと判断しました。異業種でも、売り方や店の作り方が共通していれば買い手になります。