ソフトウェア開発を手がけるティアンドエスグループは2024年10月15日、取締役会においてエクステージ株式会社の全株式を取得し子会社化することについて、基本合意書を締結することを決議したと公表しました。決定ではなく、基本合意の段階です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | ティアンドエスグループ株式会社(4055・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | エクステージ株式会社(ソフトウェアの企画・開発・制作・販売・保守管理およびコンサルティング) |
| 所在地 | 埼玉県久喜市 |
| 手法 | 株式譲渡(発行済株式総数の100%を想定。すべての株主との合意は得られていない段階で基本合意書を締結) |
| 対価 | 未確定(開示資料に「デュー・ディリジェンスの結果等に基づき相手方と協議のうえ決定した価格での取得を予定。直前事業年度末の純資産の15%未満となる見込み」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・基本合意書締結 2024年10月15日/株式譲渡契約締結 2024年12月(予定)/株式譲渡実行 2025年1月(予定) |
開示資料によれば、取得株式は発行済株式総数の100%を想定しているものの、現時点ですべての株主との合意が得られているものではないと明記されています。取得価額は現時点で未確定で、デュー・ディリジェンスの結果等に基づき相手方と協議のうえ決定した価格での取得を予定し、自社の直前事業年度末の純資産の15%未満となる見込みとしています(出典:ティアンドエスグループ株式会社 2024年10月15日公表資料)。
対象会社は2008年に設立され、ソフトウェアの企画・開発・制作・販売・保守管理およびコンサルティングを主軸に、独自のソリューションを含めて顧客の要望に応えてきたと記載されています。同社グループとはこれまでに半導体関連のソフトウェア開発などの分野で協業を進めているとしています。
取得の目的として同社は、半導体分野・重電・社会インフラ等のシステム開発を中心に旺盛な需要が生まれており、顧客の要望に応えるためには優秀なエンジニアの確保・拡充が不可欠であること、中期経営計画でM&Aによる成長戦略を掲げていることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
基本合意の時点で「すべての株主との合意が得られているものではない」と自ら書いています。株主が複数いる会社では、誰かと合意しても残りの株主との話がつくまで取引は成立しません。だから基本合意から実行までに数か月が置かれます。
価格も未確定で、調査の結果をもとに協議して決めるとしています。基本合意は価格を固める書面ではありません。売る側は、この段階の数字が動きうることを前提に受け取ることになります。
買い手と対象会社は、すでに協業の実績がありました。一緒に仕事をして相手の技術と人を知っている相手なら、確かめる範囲が狭くなります。日頃の協業は、承継の相手を選ぶときの近道になります。
買い手が求めていたのは、案件を受けきるための技術者でした。仕事があるのに人が足りないという状況が、そのまま買収の動機になっています。技術者を抱えている会社は、規模が小さくても引き合いがあります。