紙の専門商社である日本紙パルプ商事は2024年10月18日、フランスで紙・板紙の卸売事業を行うInapa France S.A.S.の発行済み株式の全部を取得し、同社およびその100%子会社のJJ LOOS S.A.S.を完全子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 日本紙パルプ商事株式会社(8032・東証プライム市場) |
|---|---|
| 譲渡対象 | Inapa France S.A.S.、JJ LOOS S.A.S.(グラフィック用紙、サイン&ディスプレイ関連商品の販売) |
| 所在地 | フランス |
| 手法 | 株式取得(Inapa France S.A.S.の発行済株式の全部を取得し、同社および100%子会社のJJ LOOS S.A.S.を完全子会社化) |
| 対価 | 普通株式25百万ユーロ(4,050百万円)、アドバイザリー費用等(概算額)2百万ユーロ(324百万円)、合計(概算額)27百万ユーロ(4,374百万円)。1ユーロ=162円 |
| 日程 | 2024年10月18日 取締役会決議/2024年10月18日 契約締結/2024年11月30日 株式譲渡実行予定 |
開示資料によれば、取得する株式数は413,958株(100%取得)で、異動前の所有株式数は0株です。取得価額は普通株式が25百万ユーロ(4,050百万円)、アドバイザリー費用等の概算額が2百万ユーロ(324百万円)、合計の概算額が27百万ユーロ(4,374百万円)です。換算は1ユーロ=162円としています(出典:日本紙パルプ商事株式会社 2024年10月18日公表資料)。
日程は、取締役会決議日と契約締結日がいずれも2024年10月18日、株式譲渡実行日が2024年11月30日の予定です。対象会社は1999年8月2日設立で、資本金は143百万ユーロ(23,237百万円)、株主はInapa–Investimentos, Participações e Gestão, S.A.が100%を保有しています(出典:日本紙パルプ商事株式会社 2024年10月18日公表資料)。
買い手は同じ紙商グループのドイツ拠点3社の事業譲受について2024年10月10日に開示しており、今回は同じグループのフランス拠点2社の株式を取得するものです。フランスの紙・板紙消費量は減少傾向にあるものの年間約860万トンで世界10位、欧州ではドイツ、イタリアに次ぐ3位の市場規模であること、フランス全域をカバーする物流網を有する2社を子会社化することで欧州大陸での卸商基盤のさらなる拡充を図れることを理由に挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
この開示では、株式の代金とアドバイザリー費用が並べて書かれ、合計額も示されています。買い手の側にも助言者への費用がかかるということです。売り手が支払う手数料だけを費用と考えていると、相手がどこまで費用を見込んでいるかを読み違えます。
同じ売り手グループから、国ごとに分けて買っています。ドイツの拠点は事業として、フランスの拠点は会社の株式として取得しており、器が違います。同じ相手との取引でも、対象の事情によって形が変わることがあります。
対象会社の下に子会社が一つあり、株式を取得すると自動的にその会社も傘下に入ります。自社に子会社があるとき、それを含めて譲るのかどうかは、価格の前に決めておく項目です。
買い手が挙げた理由は、国全体をカバーする物流網でした。紙のような重くてかさばる商品では、運ぶしくみ自体が値打ちになります。自社の強みが設備や網の形で表れているなら、決算書ではなく現場を見てもらうほうが伝わります。