鋳造機械や表面処理装置を手がける新東工業は2024年11月6日、ドイツに拠点を置くAGTOS GmbHの株式を取得し子会社化する契約を締結したと公表しました。取得株式数は1株で、取得後の議決権所有割合は100%となります。取得価額は15,000,000ユーロです(出典:新東工業株式会社 2024年11月6日公表資料)。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 新東工業株式会社(6339・東証プライム・名証プレミア) |
|---|---|
| 譲渡対象 | AGTOS Gesellschaft für technische Oberflächensysteme mbH(ショットブラストマシンの製造販売等) |
| 所在地 | ドイツ・エムスデッテン |
| 手法 | 株式取得。ドイツの持株会社から発行済株式の100%(1株)を取得して子会社化 |
| 対価 | 15,000,000ユーロ |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年11月6日/株式譲渡実行 2024年12月中頃(予定) |
対象会社は2001年7月1日設立、資本金1,000,000ユーロで、ショットブラストマシンの製造販売等を行っています。連結売上高は16,362千ユーロ(2021年12月期)、18,233千ユーロ(2022年12月期)、22,246千ユーロ(2023年12月期)、連結営業利益は1,274千ユーロ、2,335千ユーロ、2,728千ユーロと推移しています(出典:新東工業株式会社 2024年11月6日公表資料)。
売り手はドイツの持株会社で、有価証券の保有及び子会社の管理を事業としています。対象会社の株式は公表時点でこの持株会社が100%保有していました(出典:新東工業株式会社 2024年11月6日公表資料)。
取得の理由として買い手は、ショットブラストマシンや投射材、研磨材の製造販売等を行う表面処理事業において、各地域の拠点から供給できる体制の構築を進めていると説明しています。対象グループが有する欧州の顧客販売チャネルを補完的に活用することで、欧州地域の取引先拡大が期待できると判断したとしています。
株式譲渡実行は2024年12月中頃を予定しています。2025年3月期の連結業績への影響は軽微であり、将来の連結業績に与える影響については今後適宜開示する予定としています。
中小企業の経営者は、どう読むか
取得した株式は一株です。それで議決権の全部になります。ドイツの会社の形では、株式の数え方が日本と違うためです。会社の形が違えば、渡すものの単位も手続も変わります。株数の多い少ないは、持分の大きさとは関係がありません。
対価はユーロで書かれていて、円の金額は出ていません。海外の会社が相手だと、金額は為替の動きを受けます。合意した時点と支払う時点が離れているほど、円で見た金額は変わります。どこまでを誰が負担するのかを決めておく話です。
売り手は個人ではなく、その会社の株式を持つための持株会社です。会社の上にもう一つ会社がある形は、海外でも国内でもあります。相談を受けたときに、株主が誰なのかを一段上まで確かめておかないと、話す相手を間違えます。
買い手が挙げている理由は、製造の能力ではなく、欧州の顧客販売チャネルでした。工場や技術ではなく、誰に売れる立場にあるかを買っています。自社の価値を設備で説明するか、顧客との関係で説明するかで、相手の受け取り方が変わります。
契約の締結と株式の譲渡実行が別の月に置かれています。海外が絡む取引では、現地の手続や確認に時間がかかります。実行の日が「中頃」とだけ書かれているのも、先まで確定しきれないという意味です。