建設用クレーンのタダノは2024年11月6日、株式会社IHIから連結子会社であるIHI運搬機械株式会社の運搬システム事業を買収するための契約を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社タダノ(6395・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | IHI運搬機械株式会社の運搬システム事業(吸収分割により承継する新設会社)(運搬機械の企画・開発・設計・製造・販売・賃貸・据付・メンテナンス・改修・運営・管理事業) |
| 所在地 | 日本 |
| 手法 | 会社分割(吸収分割)と株式取得の組み合わせ。売り手が新たに設立する会社へ対象事業を承継させ、買い手がその新設会社の全株式を取得して連結子会社化する |
| 対価 | 非開示(守秘義務のため非開示) |
| 日程 | 契約締結 2024年11月6日/吸収分割と株式取得 2025年7月をめど |
開示資料によれば、売り手は2025年7月をめどに対象事業を新たに設立する会社へ吸収分割の方法で承継させ、買い手は同日その新設会社の全株式を取得して連結子会社化する予定です(出典:株式会社タダノ 2024年11月6日公表資料)。
取得価額は守秘義務のため非開示とされています。対象事業の連結売上高は30,960百万円(2024年3月期)と記載されています(出典:株式会社タダノ 2024年11月6日公表資料)。
開示資料は、対象事業の直近事業年度の経常利益、資産、負債等の状況については現在精査中のため非開示としています(出典:株式会社タダノ 2024年11月6日公表資料)。
新設会社の名称、所在地、代表者はいずれも未定とされ、資本金は100百万円(予定)と記載されています(出典:株式会社タダノ 2024年11月6日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
渡すのは会社ではなく事業です。しかも渡す側が新しい会社を作り、そこへ事業を移してから、その会社の株式を渡します。事業だけを売るより手続は増えますが、渡す範囲をはっきり切り分けられます。
新設会社の名前も所在地も代表者も、契約の時点では未定です。器はこれから作るからです。契約が先で、会社は後から作られることもあるということです。
対象事業の売上は三百億円規模ですが、利益や資産・負債は「精査中」で出ていません。事業だけを切り出すときは、何をいくらで移すのかを一つずつ確かめる作業が必要で、契約の時点では固まっていないことがあります。
契約から実行まで八か月あります。事業を切り分ける作業と、必要な手続にそれだけかかるということです。株式を渡すだけの取引より、日程は長くなります。
売り手は大企業です。グループの中で位置づけが変わった事業が、その分野を本業とする会社へ移る形です。会社や事業を手放す理由は、後継者の不在だけではありません。