紙の専門商社であるKPPグループホールディングスは2024年11月14日、連結子会社であるAntalis S.A.S.(フランス・パリ)の事業会社であるAntalis France(フランス・パリ)が、SAS Poitou Adhésifs(フランス・ポワチエ)からビジュアルコミュニケーション事業を譲り受けたと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | KPPグループホールディングス株式会社(連結子会社Antalis S.A.S.の事業会社Antalis Franceが譲受)(9274・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | SAS Poitou Adhésifs のビジュアルコミュニケーション事業(大判メディア印刷機、フィルム、インク等の各種消耗品の販売事業) |
| 所在地 | フランス・ポワチエ |
| 手法 | 事業譲受(対象会社からビジュアルコミュニケーション事業を譲り受ける) |
| 対価 | 非公表(開示資料に譲受価額の記載なし) |
| 日程 | 2024年11月14日公表(同日までに事業を譲り受けたと記載) |
開示資料によれば、譲り受けた事業は大判メディア印刷機、フィルム、インク等の各種消耗品の販売事業です。譲渡会社は1997年設立で、譲受会社は紙・紙関連製品の卸売事業、パッケージ事業、ビジュアルコミュニケーション事業等を手がけ、株主はAntalis S.A.S.が100%を保有しています(出典:KPPグループホールディングス株式会社 2024年11月14日公表資料)。譲受価額は開示資料に記載がありません。
買い手は、対象会社がラージフォーマットプリンター、カッティングマシン、各種消耗品などの分野でフランスにおける長年の実績を持ち、専門知識とノウハウを有して業界での地位を確立していることを挙げ、この事業譲受により専門知識とサービスの補完性を強化し、顧客に幅広い製品とサービスを提供することが可能となることを理由としています。
本件が今期連結業績に与える影響は限定的であると見込んでいるものの、中長期的にはグループの企業価値向上に資すると考えていると記載されています(出典:KPPグループホールディングス株式会社 2024年11月14日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
売り手は会社を手放したのではなく、事業のうち一つを譲っています。会社は残り、ほかの事業は続きます。中小企業でも、複数の事業を持っていて、そのうち一つだけを譲るという選び方があります。
一部の事業だけを譲る場合、その事業に付いている取引先や在庫、人をどう切り分けるかが作業の中心になります。どこまでがその事業で、どこからが残る事業なのか。この線引きは、売り手が自分で引くことになります。
共通で使っている設備や事務の人がいると、どちらに付けるかで揉めることがあります。譲る事業だけを取り出したときに、残る事業がきちんと回るかどうかも、決める前に確かめておく必要があります。
買い手が挙げた理由は、自社が扱っている商品に足りない専門知識を補えることでした。同じ分野の中で、自社が弱い部分を持っている会社を選んでいます。自社の強みが相手の弱みと噛み合う相手は、規模の近い同業とは限りません。