紙・板紙の卸売を手がけるKPPグループホールディングスは2024年11月22日、連結子会社であるオーストラリアの会社の事業会社(ニュージーランド法人)が、産業包装・食品包装の卸売及びコンバーティング等の加工事業を行う2社の事業を譲り受ける資産譲渡契約書を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | KPPグループホールディングス株式会社(連結子会社のニュージーランド法人が譲受)(9274・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | Leightons Packaging Solutions Limited and Paper Direct Limited の事業(産業包装・食品包装の卸売、及びコンバーティング等の加工事業) |
| 所在地 | ニュージーランド・オークランド |
| 手法 | 事業譲受。資産譲渡契約書を締結 |
| 対価 | 開示資料に譲受価額の記載なし |
| 日程 | 公表 2024年11月22日(開示資料に日程の記載なし) |
譲渡会社は1992年設立で、食品包装を中心とした卸売とコンバーティング・シーティング等の加工事業を手掛けており、シーター、スリッター、リワインダーなど加工に関する豊富な機械設備を有していると記載されています(出典:KPPグループホールディングス株式会社 2024年11月22日公表資料)。
譲受の理由として買い手は、本譲受により子会社の加工機能の充実及び強化が図られることから契約に至ったとしています。
譲受会社は商業印刷紙、デジタルメディア、ラベル・包装資材、産業用包装材、ビジュアルコミュニケーションの消耗部品等の卸売を行う会社です。開示資料には譲受価額と日程の記載はありません。
開示資料は、本件が今期連結業績に与える影響は限定的であると見込んでいるが、中長期的にはグループの企業価値向上に資するものと考えているとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
契約の名前が「資産譲渡契約書」です。会社を買うのではなく、事業に属する資産を買う形です。日本では事業譲渡と呼ばれるものに近く、何を移して何を残すかを一つずつ決めます。会社ごと渡す形とは、手続も税金も変わります。
評価されているのは加工の機械設備です。シーターやスリッターといった名前が具体的に挙げられています。設備そのものが理由として書かれる取引もあるということです。自社の設備が何をできるのかは、台帳の金額とは別に説明する価値があります。
買い手の目的は、自社の子会社に足りない加工の機能を足すことでした。売る力は持っているが、加工ができない。その穴を事業ごと買って埋めています。自社が誰の穴を埋められるのかを考えると、相手の探し方が変わります。
この開示には価額も日程も書かれていません。海外での小さな取引では、こうした最小限の開示になることがあります。他社の事例から自社の条件を推し量ろうとしても、そもそも出ていない情報が多いということです。
買い手の側も、日本の会社が海外子会社を通じて、さらに現地の事業を買っています。買い手が誰なのかは、契約の相手方まで辿らないと分かりません。