電機・FAシステムの商社であるカナデンは2024年11月26日、髙島電機株式会社の発行済全株式を取得し、グループに迎えることを公表しました。取得株式数は140,000株で、取得後の議決権所有割合は100%となります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社カナデン(8081・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 髙島電機株式会社(FA機器、電設資材、高低圧配電盤の仕入・販売およびシステムソフト設計) |
| 所在地 | 山形県山形市 |
| 手法 | 株式取得。投資育成会社・対象会社の取締役5名・その他個人株主8名から発行済株式140,000株(議決権所有割合100%)を取得 |
| 対価 | 本件株式2,247百万円、アドバイザリー費用16百万円、合計2,263百万円 |
| 日程 | 取締役会決議・株式譲渡契約 2024年11月26日/株式譲渡実行 2024年12月2日 |
取得価格は本件株式が2,247百万円、アドバイザリー費用が16百万円で、合計2,263百万円です。開示資料は、取得価格について客観的な基準に基づき買い手が算定した合理的な価格として決定・合意したと記載しています(出典:株式会社カナデン 2024年11月26日公表資料)。
対象会社は1949年6月10日設立、資本金70百万円で、山形県を中心に東北地方において電設資材やFA機器をはじめ制御機器、高低圧受配電盤の設計・製造・販売を行っています。純資産は1,473百万円、1,579百万円、1,711百万円、売上高は4,450百万円、4,563百万円、4,792百万円、営業利益は123百万円、158百万円、152百万円です(出典:株式会社カナデン 2024年11月26日公表資料)。
公表時点の株主構成は、東京中小企業投資育成株式会社が42.9%、対象会社の取締役5名が31.9%、その他個人株主8名が25.2%です(出典:株式会社カナデン 2024年11月26日公表資料)。投資育成会社は1963年11月15日設立で、中小企業への投資と経営支援を事業とし、地方公共団体18都道県が株主として記載されています。
取得の理由として買い手は、主力事業であるFAシステム事業の事業領域拡大を挙げ、対象会社の強みと連携して商材の拡大や技術力の増強、販売エリア・顧客層の拡大を図ることでシナジーを発揮できると考えているとしています。株式譲渡実行日は2024年12月2日です。
出典: 株式会社カナデン(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「連結子会社の異動(子会社化)に関するお知らせ」(2024年11月26日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
株主は十四名です。投資育成会社が四割、取締役が五名で三割、そのほかの個人が八名で二割強という構成でした。中小企業でよく見る形です。全株式を渡すには、この全員から同意を得る必要があります。誰が何株持っているかを一覧にしておくところから、譲渡の準備は始まります。
株主の一つが公的な性格を持つ投資育成会社です。過去に資本を入れてもらった会社では、こうした株主が残っていることがあります。その株式をどう扱うかは、譲渡の設計に関わります。自社の株主名簿を、いま一度確かめてみる価値があります。
設立は戦後すぐで、七十年以上続いてきた会社です。売上は四十億円台、営業利益は一億円台で安定しています。急成長している会社ではありません。それでも上場企業が二十億円を超える金額で全株式を取得しています。安定して続いていることは、それ自体が評価の対象です。
評価の理由に挙げられているのは、地域と商材です。山形県を中心とした東北地方での基盤と、配電盤の設計・製造です。買い手にとって自社では持っていない地域と商品でした。自社の強みを「どこで、何を」で言えると、探している相手に見つけてもらいやすくなります。
取得価格とは別に、アドバイザリー費用が並んで開示されています。会社を買うにも売るにも、代金以外に外部への費用がかかります。手元にいくら残るかを考えるなら、そこまで含めて数える必要があります。