古河電気工業は2024年12月12日、富士通株式会社の100%子会社である富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社の全株式を取得し子会社化することを決議したと公表しました。取得株式数は4,000株で、取得後の議決権所有割合は100.0%となります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 古河電気工業株式会社(5801・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社(光コンポーネント製品の開発、製造、販売) |
| 所在地 | 神奈川県川崎市中原区 |
| 手法 | 株式取得。富士通株式会社から発行済株式4,000株(議決権所有割合100.0%)を取得 |
| 対価 | 非開示(相手先の意向により非開示。外部専門家によるデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて株主と協議を重ねて決定したと記載) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年12月12日/株式取得日 2025年4月1日(予定) |
対象会社は2007年9月19日設立、資本金1億円で、光コンポーネント製品の開発、製造、販売を行っています。売上高は35,596百万円(2022年3月期)、27,157百万円(2023年3月期)、13,681百万円(2024年3月期)、営業利益は3,399百万円、△176百万円、△10,275百万円、純資産は16,271百万円、15,596百万円、5,172百万円です(出典:古河電気工業株式会社 2024年12月12日公表資料)。
取得価額は相手先の意向により非開示とされています。開示資料は、取得価格について外部専門家によるデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて株主と協議を重ねて決定したものであり、公正妥当と考えられる金額で取得していると記載しています(出典:古河電気工業株式会社 2024年12月12日公表資料)。
買い手と対象会社の間には、光部品に関する取引関係があると記載されています(出典:古河電気工業株式会社 2024年12月12日公表資料)。買い手は、光通信分野において黎明期から続く光デバイス・光部品分野での長年の技術の蓄積を生かし、レーザダイオードモジュールやスプリッタなど高品質な製品を世界中へ供給していると説明しています。
株式取得日は2025年4月1日を予定しています。開示資料は、取得日が翌連結会計年度に該当するため2025年3月期の連結業績に与える影響は軽微であり、2026年3月期への影響は精査中であるとしています(出典:古河電気工業株式会社 2024年12月12日公表資料)。
出典: 古河電気工業株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「子会社等の異動を伴う株式取得に関するお知らせ」(2024年12月12日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
対象会社の数字は厳しいものです。売上は二期で三分の一近くまで落ち、直近期は百億円規模の営業損失を出し、純資産も大きく減っています。それでも上場企業が全株式を取得しました。業績が落ちていることは、譲渡ができない理由にはなりません。
買い手は、もともとこの会社と光部品の取引がありました。同じ分野で長く事業をしてきた会社です。数字の悪さの中身と、直せる部分がどこかを、外の人より正確に分かっている相手だということです。事業を理解している相手のほうが、厳しい決算でも話が進みます。
買い手にとっては、自社が長く手がけてきた分野の製品と設備を、一度にまとめて引き受ける形になります。いまの利益ではなく、その先に何ができるかを見ています。会社の値段が、直近の決算だけで決まらない理由の一つがここにあります。
取得価額は相手先の意向により非開示です。売り手が大企業であっても、金額を出さない形は取れます。金額の公表は買い手が勝手に決められるものではありません。
契約から実行まで四か月近くあり、実行日は四月一日に置かれています。事業年度の区切りに合わせると、引き継ぎの処理が整理しやすくなります。いつ渡すかは、金額と同じくらい実務に影響します。