印刷のプラットフォームを運営するラクスルは2024年12月12日、子会社のノバセル株式会社が株式会社オールマーケの株式を取得し、孫会社とすることを公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | ラクスル株式会社(子会社のノバセル株式会社が取得)(4384・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社オールマーケ(ウェブマーケティング、ウェブ広告代理店事業) |
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 手法 | 株式取得。子会社が対象会社の株式を取得し、買い手の孫会社とする |
| 対価 | 開示資料に取得価額の記載なし |
| 日程 | 公表 2024年12月12日(開示資料に日程の記載なし) |
対象会社は2020年2月4日設立、資本金5百万円で、ウェブマーケティングとウェブ広告代理店事業を行っています(出典:ラクスル株式会社 2024年12月12日公表資料)。開示資料に取得株式数、取得価額、日程の記載はありません。
買い手は、対象会社が独立系のウェブ広告運用会社として2020年の会社設立以降急速に成長し、人材、教育、ECなどの領域において多くの広告主のデジタルマーケティングの戦略設計、企画、制作、運用保守を担ってきた会社であると説明しています。
取得の理由として買い手は、子会社が広告効果の可視化を軸にしたマーケティングソリューションを展開しており、対象会社の子会社化により顧客のデジタルマーケティングにおいても独自の戦略提案から運用までを担えるようになるとしています。
開示資料は、グループとして連続的なM&Aを実施する方針に基づき、今後もシナジーのある領域を中心に多くの買収機会を検討していくとしています。2025年7月期の通期連結業績への影響は軽微としています。
中小企業の経営者は、どう読むか
設立から五年ほどの会社です。資本金は五百万円です。それでも上場企業のグループに入っています。歴史の長さや規模ではなく、その分野でどれだけの案件を手がけてきたかが理由に挙げられています。
買い手が挙げているのは、自社に足りない工程を足すことでした。効果を測る仕組みは持っているが、運用そのものはやっていない。その部分を担える会社を迎えています。自社が誰の工程を埋められるのかを考えると、相手の探し方が変わります。
買い手は「連続的なM&Aを実施する方針」と明記しています。一件で終わらず、続けて買うつもりだということです。同じ業界にこうした買い手がいるかどうかは、相談の前に知っておく価値があります。
この開示には、取得株式数も価額も日程も書かれていません。上場企業の開示でも、規模が小さければこの程度の内容になります。他社の事例から自社の条件を推し量ろうとしても、出ていない情報が多いということです。
買い手は本体ではなく、その子会社です。売り手から見れば契約の相手方は子会社になります。誰と契約し、誰が親会社として後ろにいるのかは、最初に確認しておく項目です。