LINEヤフーは2024年12月19日、BEENOS株式会社の普通株式と新株予約権を公開買付けにより取得する予定であると公表しました。本記事が参照した原本は、この公表の英訳版(TDnetで「Delayed」として翌日に開示されたもの)です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | LINEヤフー株式会社(4689・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | BEENOS株式会社(東証プライム)(越境EC・海外向け通販支援) |
| 所在地 | 東京都 |
| 手法 | 公開買付け(TOB)の開始予定。普通株式と新株予約権を取得し完全子会社化することを目的とする。開始は前提条件の充足後 |
| 対価 | 普通株式1株4,000円。新株予約権は第11回新株予約権1個につき226,300円(買付価格4,000円と行使価額1,737円の差額2,263円に1個あたりの対象株式数を乗じた金額)。買付予定数13,452,923株、下限8,882,500株、上限なし |
| 日程 | 公表 2024年12月19日/公開買付けの開始は前提条件の充足後に速やかに行う予定。買い手は2024年12月2日に法的拘束力のある意向表明書を提出している |
買付価格は普通株式1株4,000円です。開示資料によれば、2024年11月29日の終値に対して10.96%、1ヶ月間の終値単純平均に対して27.31%、3ヶ月間の終値単純平均2,875円に対して39.13%、6ヶ月間の終値単純平均2,635円に対して51.80%のプレミアムにあたります(出典:LINEヤフー株式会社 2024年12月19日公表資料)。
新株予約権については、第11回新株予約権1個につき226,300円とされています。これは買付価格4,000円と行使価額1,737円の差額2,263円に、新株予約権1個あたりの対象株式数を乗じた金額です(出典:LINEヤフー株式会社 2024年12月19日公表資料)。
買付予定数は13,452,923株、買付予定数の下限は8,882,500株で、上限は設定されていません(出典:LINEヤフー株式会社 2024年12月19日公表資料)。買い手は2024年12月2日に対象会社に対し、買付価格を4,000円とする法的拘束力のある意向表明書を提出しています。
対象会社の特別委員会が選定した第三者算定機関による株式価値の算定では、市場株価法で1株2,771円から3,482円、DCF法で3,469円から4,752円と算定されており、同機関から2024年12月18日付で公開買付価格が一般株主にとって財務的見地から公正であるとのフェアネス・オピニオンを取得したと記載されています(出典:LINEヤフー株式会社 2024年12月19日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が出した意向表明書には「法的拘束力がある」と書かれています。意向表明書には、拘束力のあるものとないものがあります。受け取ったときに、どちらなのかを確かめる必要があります。同じ名前の書面でも、重さが違います。
価格の妥当性を判断するために、対象会社側の委員会が自前で算定機関を選び、公正だという意見書まで取っています。売り手側にも算定が必要だということです。買い手は必ず自分の算定を持ってきます。こちらに裏付けがなければ、比べる基準がありません。
算定結果は一つの数字ではなく、幅で示されています。市場の株価を基準にした方法と、将来の現金を基準にした方法で、範囲も違います。企業価値の算定に唯一の正解はなく、方法と前提で動くということです。
新株予約権の買付価格は、買付価格と行使価額の差から計算されています。ストックオプションを出している会社が譲渡を考えるときは、それが従業員の手元でいくらになるのかを先に確かめる必要があります。差が小さければ、金額も小さくなります。
上乗せの幅は、基準にする期間によって一割から五割まで変わります。直近の株価が上がっていれば直近比の上乗せは小さく見え、下がっていれば大きく見えます。どの期間と比べるかで見え方が変わるので、数字は期間とあわせて読む必要があります。