本田技研工業と日産自動車は2024年12月23日、両社の経営統合に向けて協議・検討を開始することについて合意し、各社の取締役会で基本合意書の締結を決議して締結したと公表しました。これは経営統合の決定ではなく、検討に関する基本合意です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 本田技研工業株式会社(日産自動車株式会社との共同公表)(7267・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 共同持株会社の設立による両社の経営統合(共同株式移転)(自動車の製造・販売) |
| 所在地 | 日本 |
| 手法 | 共同株式移転により両社の完全親会社となる共同持株会社を設立し、両社をその完全子会社とする方式を予定。これは決定ではなく、検討に関する基本合意です。開示資料は、ストラクチャーが今後変更される可能性があること、検討を中止する場合は速やかに公表することを明記している |
| 対価 | 未定(株式移転比率は基本合意書の公表後に検討) |
| 日程 | 取締役会決議・基本合意書締結 2024年12月23日/最終契約書(株式移転計画含む)締結 2025年6月(予定)/両社臨時株主総会 2026年4月(予定)/上場廃止 2026年7月末〜8月(予定)/株式移転の効力発生 2026年8月(予定) |
開示資料によれば、両社は検討の結果および日産自動車の事業構造計画の取り組みが着実に実行されることを前提に、各社の株主総会の承認と必要な関係当局の許認可等を得ることを条件として、共同株式移転の方法により両社の完全親会社となる共同持株会社を設立し、両社をその完全子会社とする予定です(出典:本田技研工業株式会社・日産自動車株式会社 2024年12月23日公表資料)。手続上の必要その他の事由により、両社で協議・合意のうえストラクチャーが今後変更される可能性があるとしています。
共同持株会社の株式は東京証券取引所プライム市場に新規上場(テクニカル上場)を申請する予定で、上場日は2026年8月を予定しています。両社は共同持株会社の完全子会社となるため上場廃止となる予定ですが、両社の株主は交付された共同持株会社の株式を引き続き取引できる予定と記載されています(出典:本田技研工業株式会社・日産自動車株式会社 2024年12月23日公表資料)。
日程は、最終契約書(株式移転計画を含む)の締結が2025年6月(予定)、両社の臨時株主総会が2026年4月(予定)、上場廃止が2026年7月末から8月(予定)、株式移転の効力発生が2026年8月(予定)です(出典:本田技研工業株式会社・日産自動車株式会社 2024年12月23日公表資料)。
開示資料は、これらが現時点での予定であり今後の協議により変更する場合があるとし、国内外の競争法に係る手続きその他の事情により日程が変動する事由が生じた場合、または経営統合の検討を中止する場合には速やかに公表するとしています(出典:本田技研工業株式会社・日産自動車株式会社 2024年12月23日公表資料)。両社は2024年3月15日に戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書を締結しており、以降さまざまな領域で協議・検討を行ってきたとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
これは統合の決定ではありません。検討を始めることへの基本合意です。開示資料自身が「検討を中止する場合には速やかに公表する」と書いています。大きな案件でも、最初の公表は「決めた」ではなく「話し合うことにした」であることが多いという実例です。
会社を一緒にする方法として、どちらかがどちらかを買うのではなく、上に新しい会社を作って両社がその子会社になる形が選ばれています。株式移転と呼ばれる方法で、対等に近い形で統合したいときに使われます。中小企業の統合でも使える形です。
基本合意から最終契約までに半年、効力発生までは一年半以上の予定が置かれています。しかも前提条件として、相手側の事業構造計画が着実に実行されることが挙げられています。合意しても、その後の相手の状況次第で進まないことがあるということです。
この案件の前に、両社は覚書を交わして協業の検討を進めていました。覚書、基本合意、最終契約と段階が分かれています。それぞれで何が決まり、何が決まっていないのかは、書面の中に書かれています。受け取る側はそこを読みます。
株式移転比率は、この時点では決まっていません。どういう割合で交換するかは後の検討事項です。統合すると決める前に条件が全部固まっているわけではありません。