貴金属関連事業と食品関連事業を営む松田産業は2025年1月31日、臨時取締役会において株式会社山陽レックと株式会社フラップリソースの全株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 松田産業株式会社(7456・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社山陽レック/株式会社フラップリソース(産業廃棄物処理および収集運搬等/非鉄金属回収および卸売等) |
| 所在地 | 広島県広島市安佐北区 |
| 手法 | 株式取得(既存の取引先である2社の全株式を取得し子会社化。譲渡の実行前に株式を1名へ集約) |
| 対価 | 非公表(開示資料に取得価額の記載なし) |
| 日程 | 取締役会決議 2025年1月31日/契約締結日 2025年2月3日(予定)/株式譲受期日 2025年2月28日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は山陽レックが20,000株、フラップリソースが200株で、いずれも議決権所有割合100.0%となります。山陽レックは1977年8月設立、資本金1,000万円、売上高は直近3期で1,379百万円、1,566百万円、1,623百万円、営業利益は260百万円、289百万円、334百万円です。フラップリソースは2014年4月設立、資本金1,000万円、売上高は66百万円、101百万円、103百万円です(出典:松田産業株式会社 2025年1月31日公表資料)。
山陽レックの株主は開示時点で個人株主1名が86.4%、ほか4名が13.6%を保有していますが、本件株式取得の時点では1名が100%を所有し、その1名が株式の譲渡先の相手方となる予定と注記されています(出典:松田産業株式会社 2025年1月31日公表資料)。また両社は、開示時点で同社の産業廃棄物処理および非鉄金属等有価物の取引先であると記載されています。
取得の理由として同社は、産業廃棄物を回収して中間処理や再資源化を行う環境事業を展開していること、対象2社が産業廃棄物の中間処理と再資源化に長年の実績とノウハウを持ち、自社が取り組むリチウムイオン電池のリサイクル事業などで地域的な補完を含むマーケット領域の拡大や売上の拡大に相乗効果が期待できることを挙げています。
出典: 松田産業株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2025年01月31日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
譲渡の実行前に、分散していた株式を代表者ひとりに集めてから渡す段取りが書かれています。買い手は全株式をまとめて受け取れるほうが手続きも交渉も簡単なので、この形が取られます。株式が親族や元役員に分かれている会社では、譲渡を決める前にこの集約が必要になり、それ自体に時間と費用がかかります。
買い手と対象会社は、もともと取引先の関係にありました。日頃の取引を通じて相手の実力と人柄が分かっている相手であれば、探す手間も確かめる手間も減ります。取引先から声がかかる、あるいは取引先に声をかけるという道筋は、中小企業の承継では現実的な選択肢です。
同じ代表者が営む二つの会社を、まとめて取得しています。事業は別でも、人と設備と土地が近いところにある会社群は、一体で引き継ぐほうが機能します。会社を複数持っている経営者は、どこまでを一緒に渡すかを早い段階で整理しておくことになります。
買い手が理由に挙げたのは、自社が取り組む新しい分野で、その地域の処理能力を確保することでした。許可を要する事業では、許可と設備を持っている会社がそのまま参入の入口になります。