オープンハウスグループは2025年2月27日、完全子会社の株式会社メルディアが株式会社永大ホールディングスの全株式を取得することを決定し、同日、対象会社の全株主との間で株式譲渡契約を締結したと公表しました。本件は東京証券取引所の適時開示基準には該当しないものの、有用な情報と判断して任意に開示するとしています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社オープンハウスグループ(完全子会社の株式会社メルディアが取得)(3288・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社永大ホールディングス(完全子会社3社を含む永大グループ)(不動産の売買・賃貸・管理およびその仲介事業(傘下は地域密着型の戸建住宅メーカーおよびリフォーム事業)) |
| 所在地 | 埼玉県さいたま市大宮区 |
| 手法 | 株式取得(全株主から発行済株式の全部を取得し孫会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に「株式取得の相手方が個人であるため非開示」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・株式譲渡契約締結 2025年2月27日/株式譲渡実行日 2025年4月16日(または別途合意した日) |
開示資料によれば、取得株式数は96,316株で議決権比率は100%、取得価額は株式取得の相手方が個人であるため非開示とされています。対象会社は1986年5月設立、資本金10百万円で、株式は個人1名が82.35%、その他個人株主3名が17.65%を保有しています。傘下3社を簡易的に連結した参考値として、売上高は直近3期で11,303百万円、7,657百万円、9,487百万円、営業利益は1,419百万円、920百万円、831百万円です(出典:株式会社オープンハウスグループ 2025年2月27日公表資料)。
対象会社グループは埼玉県南部および東京都北部を中心に展開する地域密着型の戸建住宅メーカーおよびリフォーム事業者で、広く不動産関連事業を手がけています。
取得の理由として同社は、買い手となる子会社が首都圏を中心に戸建分譲住宅の設計・施工・販売を営んでいること、対象会社グループが築いてきた顧客および取引先との関係性と、良質な商品不動産を仕入れるためのネットワークを活用できるようになり、首都圏での戸建住宅に関する事業基盤が強固になることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
適時開示の基準に該当しないのに、任意で開示したと明記されています。上場企業が中小企業を引き継ぐ案件は、公表の義務がない規模でも公表されることがあります。逆にいえば、公表されていない案件が世の中にはずっと多いということでもあります。
買い手が理由に挙げたのは、顧客と取引先との関係性、そして良質な物件を仕入れるためのネットワークでした。どれも決算書には載りません。地域で長く商売をしてきた会社は、こうした見えない資産で評価されることがあります。
株主は代表者と他の個人数名に分かれており、開示では「全株主との間で株式譲渡契約を締結」と書かれています。分散した株主のすべてと同じ日に契約を結ぶには、事前の根回しが要ります。誰にいつ話すかの順番が、この段取りを左右します。
契約から譲渡の実行まで、およそひと月半が置かれ、しかも「または別途合意した日」と幅を持たせています。予定どおりに進まないことを織り込んだ書き方です。譲渡日をひとつの日付で固めてしまうと、遅れがそのまま契約違反になりかねません。