調剤薬局の全国チェーンを展開するアインホールディングスは2025年3月14日、株式会社エーアンドエムの全株式を取得する株式譲渡契約を締結したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社アインホールディングス(9627・東証プライム・札証)
譲渡対象株式会社エーアンドエム(調剤薬局の運営、医薬品・医療機器・健康食品等の小売業)
所在地新潟県新潟市
手法株式取得(個人株主から全株式を取得)
対価非公表(開示資料に「売主との守秘義務契約により非開示。公平性・妥当性を確保するため第三者機関による評価等を勘案し決定」と記載)
日程株式譲渡契約締結 2025年3月12日(公表 3月14日)/株式譲渡実行日 2025年4月25日(予定)

開示資料によれば、取得株式数は2,000株で議決権所有割合は100%、取得価額は売主との守秘義務契約により非開示としつつ、公平性と妥当性を確保するため第三者機関による評価等を勘案して決定したとしています。株式取得の相手先は個人1名で、氏名は守秘義務契約により開示していないと注記されています。対象会社は1996年2月設立、資本金10百万円で、売上高は直近3期で7,981百万円、8,512百万円、9,297百万円、営業利益は419百万円、245百万円、213百万円です。連結財務諸表を作成していないため単純合算で計算していると注記されています(出典:株式会社アインホールディングス 2025年3月14日公表資料)。

対象会社は新潟県で調剤薬局30店舗を展開しており、本件により同社グループの調剤薬局店舗数は1,270店舗を超えるとしています(出典:株式会社アインホールディングス 2025年3月14日公表資料)。

取得の理由として同社は、積極的な新規出店のほかM&Aを活用して事業拡大を図っていること、対象会社が在宅医療や地域イベントに積極的に取り組み、社内研修による薬剤師の専門性強化にも力を入れており、多くの点で自社の事業方針と共通していることを挙げています。

出典: 株式会社アインホールディングス(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式会社エーアンドエムの株式取得に関するお知らせ」(2025年03月14日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

売上は伸びている一方で、営業利益は年々小さくなっています。それでも全国チェーンの買い手が引き継いでいます。調剤報酬の改定が続く業種では、規模を広げて効率を上げることが対処の一つになっており、買い手側にその動機があるためです。利益が落ちている局面でも、譲渡の相手はいます。

買い手が理由に挙げたのは、在宅医療への取り組みや薬剤師の研修といった、日々の積み重ねでした。決算書に出てこない部分が、事業方針が合うかどうかの判断材料になっています。何を大事にして経営してきたかを言葉にできることは、相手を選ぶうえでも役に立ちます。

株式の取得先である個人の氏名が、守秘義務契約により開示されていません。売り手が自分の名前を出したくないという希望は、契約に書き込むことで守られます。近隣に知られたくない、従業員に順序立てて伝えたい、といった事情は実際に配慮されています。

契約の締結から譲渡の実行まで、ひと月以上が置かれています。薬局は許可を要する事業で、開設者が変わる際の手続きが必要です。譲渡日は行政の手続きと、決算期や給与の締めから逆算して決めることになります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。