藤田エンジニアリングは2025年3月31日、取締役会において株式会社群工の全株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。本件は適時開示基準には該当しないものの、有用な情報と判断して任意に開示するもので、開示事項および内容の一部を省略しているとしています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 藤田エンジニアリング株式会社(1770・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社群工(建築工事の設計監理および請負、ビル・住宅の外装建材工事、屋根・基礎・柱結合工事) |
| 所在地 | 群馬県高崎市 |
| 手法 | 株式取得(個人株主3名から自己株式を除く全株式を取得し子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に「守秘義務により開示を控える。外部専門家のデューデリジェンス結果に基づき資産状況等を考慮して決定」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2025年3月31日/株式譲渡実行日 2025年5月14日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は292株で、自己株式を控除した議決権所有割合は100.0%です。取得価額は守秘義務により開示を控えるとしつつ、外部専門家のデューデリジェンスの結果に基づき資産状況等を考慮して決定したとしています。対象会社は1991年4月設立、資本金20百万円で、株式は個人3名が93.6%、対象会社自身が自己株式として6.4%を保有しています。売上高は1,201百万円(2024年3月期)で、直近3年間の経営成績と財政状態は守秘義務により非開示とし、いずれも適時開示基準に該当しない範囲内としています(出典:藤田エンジニアリング株式会社 2025年3月31日公表資料)。
対象会社は建築・外壁工事の分野で、群馬県を中心に北関東エリアで施工実績を有しています。
取得の理由として同社は、対象会社をグループに迎えることで主力事業である建設事業に新たな領域を設けられること、自社の建築部門との相乗効果により施工の拡大も期待できることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
売上高だけが開示され、利益や純資産は守秘義務により非開示とされています。開示の基準に該当しない範囲であれば、どこまで出すかを当事者で決められます。全部を公にしたくないという希望は、この程度の粒度で実現しています。
株式の一部は会社自身が自己株式として持っており、議決権の計算からは除かれています。過去に退職した株主から会社が買い取った経緯があると考えられます。自己株式があると持株比率の計算が変わるため、譲渡の準備では現在の株主名簿と自己株式の有無を確認しておくことになります。
価格は「外部専門家のデューデリジェンス結果に基づき、資産状況等を考慮して」決めたと書かれています。買い手が調べた結果が、そのまま価格の根拠になっています。調べられて困ることが出てこないように整えておくことが、価格を守ることにつながります。
買い手は同じ地域の建設会社で、これまで取引関係はなかったと記載されています。近隣の同業でも、日頃の付き合いがなくても案件は成立します。地元だから知られてしまう、と決めつける必要はありません。