スズデンは2025年5月22日、ベル株式会社の株式を取得して完全子会社化することを取締役会で決議したと公表しました。2025年6月25日開催予定の定時株主総会での承認を条件としています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | スズデン株式会社(7480・東証) |
|---|---|
| 譲渡対象 | ベル株式会社(買い手の創業家の資産管理会社)(資産管理(保有資産の多くが買い手の株式)) |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 手法 | 株式譲渡(特定の株主からの自己株式取得に準ずる手続により取得し完全子会社化。定時株主総会の承認が条件) |
| 対価 | ベル株式会社の普通株式(概算額)4,217百万円(開示資料に、ベルが保有する同社株式は市場株価法により評価し、それ以外の資産・負債は第三者機関の算定した評価額を基に算定したと記載) |
| 日程 | 取締役会決議日・契約締結日 2025年5月22日/第73回定時株主総会 2025年6月25日(予定)/株式譲渡実行日 2025年7月7日(予定) |
開示資料によれば、ベルはスズデンの創業家の資産管理会社で、その資産の多くの部分がスズデン株式です。買い手は、将来的にベルの保有する自社株式を自己株式として取得することを検討していることなどから、株主・投資家への公平性と取引の透明性を確保する観点で、会社法第156条第1項、第160条第1項および第161条の規定の趣旨を踏まえ、特定の株主からの自己株式取得に準じた手続を行うことが適切と考えたとしています(出典:スズデン株式会社 2025年5月22日公表資料)。
また開示資料では、買い手の代表取締役会長がベルの株主であり本件に関して特別利害関係を有することから、取締役会の審議および決議に参加していないこと、取得後はスズデンを存続会社としてベルを吸収合併することなどを検討しているが現時点での決定事項ではないことが説明されています。
中小企業の経営者は、どう読むか
創業家が持つ資産管理会社を、会社自身が買い取る形です。上場・非上場を問わず、創業家の株式が資産管理会社を通じて保有されている例は珍しくありません。
特別利害関係を持つ役員が取締役会の審議と決議に参加していないことが明記されています。会社と経営者個人(またはその親族)の間の取引では、手続の公正さをどう担保したかが問われます。非上場の会社でも、同様の配慮が必要になる場面があります。
資産管理会社を使った株式の保有は、相続や承継の設計と結びついていることが多く、譲渡を考える段階では「誰が直接持ち、誰が会社を通じて持っているか」の整理が出発点になります。