日本精機は2026年8月28日、デンソーのヘッドアップディスプレイ(HUD)事業を譲り受けることを決議し、同日付で契約を締結したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)日本精機株式会社(7287・東証プライム)
譲渡(売り手)株式会社デンソー(愛知県刈谷市)
譲渡対象デンソーのヘッドアップディスプレイ(HUD)事業(車載電子部品の開発・製造)
所在地日本
手法事業譲受
対価双方の機密保持契約に基づき非開示。HUD事業に係るキャッシュ・フローを基に将来の収益に対する見積等を考慮して算出し、日本精機の2026年3月期連結純資産の1%以下の金額。決済方法は現金を予定
日程2026年8月28日 取締役会決議・契約締結/2027年2月26日 事業譲受実行日(予定)

HUDは自動車のフロントガラスに走行速度やナビゲーション情報等を投影する装置です。日本精機は、搭載率の上昇に伴い今後も市場の成長が見込まれるとし、現在の中期経営計画でも「HUD事業の成長性確保および収益性改善」を事業戦略の一つに掲げていると記載しています。

同社は、デンソーが有するHUDの開発ノウハウ、生産体制を自社グループの事業基盤と融合することにより、開発・生産体制のさらなる最適化、グローバルな安定供給体制の構築およびコスト競争力の強化を図ることができると判断したとしています。

譲受価額は双方の機密保持契約に基づき非開示です。開示資料によれば、HUD事業に係るキャッシュ・フローを基に将来の収益に対する見積等を考慮した上で算出しており、日本精機の2026年3月期連結純資産の1%以下の金額となります。決済方法は現金を予定しています(出典:日本精機株式会社 2026年8月28日公表資料)。

日程は、2026年8月28日に取締役会決議および契約締結、事業譲受実行日は2027年2月26日の予定です。

出典: 日本精機株式会社(TDnet 適時開示。東京証券取引所 適時開示情報閲覧サービス)「株式会社デンソーのヘッドアップディスプレイ事業の譲受に関するお知らせ」(2026年08月28日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

同じ製品を作っている二社のうち、一方が事業を手放し、もう一方が引き取る形です。買い手はこの製品を中期計画の柱に挙げている会社。どちらがこの事業に重みを置いているかが、はっきり分かれています。

価額は非開示ですが、決め方が書かれています。その事業が将来生むお金を見積もって算出した、ということ。資産の帳簿価額を足し上げたのではありません。

中小企業の事業譲渡でも同じ考え方を使います。設備や在庫の値段ではなく、その事業が毎年どれだけ稼ぐかを出発点にする。工程や店舗の一部を売るときに、ここを押さえているかどうかで金額が変わります。

契約から実行までが半年近くあります。事業譲渡は、契約を結んでから設備・人・取引先をひとつずつ移す作業が残ります。株を渡せば終わる株式譲渡と、ここが大きく違うところです。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。