アイキューブドシステムズは2023年10月11日、10KN JOINT STOCK COMPANY(ベトナム・ハノイ市)の株式を取得して子会社化することを取締役会で決議したと公表しました。開示資料は、本件が適時開示基準には該当しないものの、有用な情報と判断して任意開示を行うものであり、開示事項・内容を一部省略していると記載しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社アイキューブドシステムズ(4495・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 10KN JOINT STOCK COMPANY の株主(開示資料は、大株主である個人3名と守秘義務契約を締結し、同3名からの要請を受けているため持分比率の公表を控えると記載) |
| 譲渡対象 | 10KN JOINT STOCK COMPANY(オフショア開発、ラボ型開発) |
| 所在地 | ベトナム・ハノイ市 |
| 手法 | 株式譲渡(議決権の100.0%を取得して子会社化)。手元資金で取得 |
| 対価 | 非開示(開示資料は、株式取得の相手先との協議により開示を差し控えるとし、適時開示基準に該当しない軽微基準の範囲内と記載) |
| 日程 | 2023年10月11日 取締役会決議/2023年10月13日(予定) 契約締結/2023年11月中旬(予定) 株式譲渡実行 |
取得株式数は45,460株で、取得前の議決権所有割合は0.0%、取得後は100.0%です。取得資金は保有する手元資金で充当する予定です(出典:株式会社アイキューブドシステムズ 2023年10月11日公表資料)
対象会社は2022年5月26日設立で、オフショア開発とラボ型開発を行っています。資本金は2,774千円(454,600,000VND)です。2022年12月期(7ヶ月決算)は売上高44,825千円、営業利益12,980千円、当期純利益12,973千円、純資産15,747千円、総資産33,266千円で、1VND=0.006円で換算した数値と注記されています(出典:株式会社アイキューブドシステムズ 2023年10月11日公表資料)
取得価額は非開示です。開示資料は、相手先との協議により開示を差し控えるとしたうえで、適時開示基準に該当しない軽微基準の範囲内であると記載しています。
大株主と持分比率も公表されていません。開示資料は、大株主である個人3名と守秘義務契約を締結し、同3名から要請を受けているためと記載しています。
買い手は、法人向けモバイルデバイス管理ソフトウェアの開発・提供を行っており、日本国内のシステムエンジニアの供給不足から開発要員の確保が難しく、定着率や人件費の高騰も課題であるとして、開発リソースの獲得と効率的な開発体制の構築を目指してソフトウェア開発会社の買収を検討してきたと記載しています。買い手から対象会社への開発委託取引の実績が既にあるとしています。
2024年6月期の業績への影響は軽微と見込み、中長期的には企業価値向上に資すると考えているとしています。
出典: 株式会社アイキューブドシステムズ「10KN JOINT STOCK COMPANYの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2023年10月11日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が挙げた理由は、人が採れないことです。人手が足りない会社が、人のいる会社を買う。買収の動機としていちばん多い形の一つです。
設立から一年あまりの会社です。歴史の長さが条件ではありません。
買い手は、もともとこの会社に開発を委託していました。取引先をそのまま迎える形で、相手の仕事ぶりを知っているぶん、調査で見えない部分が少なくなります。
売り手の個人は、持分比率の公表を断っています。誰がいくら持っていたかは、本人の資産の話です。出さないでほしいという要望は、契約の段階で伝えておけます。
価額も出ていません。買い手にとって小さい金額なら、開示する義務が生じないためです。上場会社が買い手でも、金額が必ず出るわけではありません。
決議から引き渡しまで一か月ほどを見ています。海外の会社では、現地の手続きに時間がかかります。
買い手は自前の資金で払うと書いています。借入を使わない買収では、資金の手当てを待たずに日程を組めます。