大末建設は2023年10月26日、株式会社神島組の株式を取得して子会社化することを取締役会で決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 大末建設株式会社(1814・) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社神島組の株主(個人1名が100%を保有) |
| 譲渡対象 | 株式会社神島組(土木工事業(割岩という特殊土木領域)) |
| 所在地 | 兵庫県西宮市 |
| 手法 | 株式譲渡(全株式を取得して連結子会社化) |
| 対価 | 4,800百万円(出典:大末建設株式会社 2023年10月26日公表資料) |
| 日程 | 2023年10月26日 取締役会決議/2023年10月29日(予定) 契約締結/2023年11月7日(予定) 株式譲渡実行 |
取得株式数は40,000株で、取得前の所有株式数は0株です。取得価額は4,800百万円です(出典:大末建設株式会社 2023年10月26日公表資料)
対象会社は昭和27年6月6日設立、所在地は兵庫県西宮市、資本金は20百万円で、土木工事業を営んでいます。株式は個人1名が100%を保有していました(出典:大末建設株式会社 2023年10月26日公表資料)
対象会社の2023年5月期は売上高944百万円、営業利益515百万円、経常利益591百万円、当期純利益291百万円、純資産1,922百万円、総資産2,146百万円です。2021年5月期は売上高402百万円・営業利益57百万円、2022年5月期は売上高414百万円・営業利益92百万円で、直近期に売上高と利益が大きく伸びています(出典:大末建設株式会社 2023年10月26日公表資料)
買い手は、対象会社が環境に配慮した割岩工法で振動・騒音等の公害を抑えた技術を開発し、独自かつ多彩な特許工法を強みとして「割岩」という特殊土木領域で国内での豊富な実績を有していることを記載しています。
買い手は、2025年3月期までに既存事業の強化と土木事業・不動産事業・環境事業等の周辺・新分野への進出に関して合計100億円の投資を計画しており、本件により土木事業へ再進出するとしています(出典:大末建設株式会社 2023年10月26日公表資料)
対象会社は2023年11月7日付で買い手の連結子会社となる予定です。2024年3月期の連結業績への影響は軽微と見込んでいます。
出典: 大末建設株式会社「株式会社神島組の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2023年10月26日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
直近の期に売上が倍以上、営業の利益は五倍以上に伸びた直後の譲渡です。業績が跳ねた年は、売り手にとって条件の交渉がしやすい局面になります。
一方で、跳ねた一年だけが続くとは限りません。買い手は三期分を並べて示しています。見られているのは水準と、その続き方です。
買い手が挙げた理由は、特許を伴う独自の工法でした。持っている技術が、他社では代わりがきかない形になっていると評価につながります。
ただし特許は、持っているだけでは評価されません。それで実際に仕事を取れているかが見られます。
資本金は二千万円で、純資産は十九億円です。会社の規模は資本金では測れません。
売り手は一人で全株を持つ個人でした。七十年続いた会社が、一人の意思で動いています。
買い手は、以前やめた分野へ戻るために買っています。自前で作り直すより、できている会社を買うほうが早いという判断です。
決議から引き渡しまで十二日です。先に話がまとまっていた形です。