秋川牧園は2024年3月11日、秋川牧園(常州)農業有限公司の持分を取得して子会社化すると公表しました。取得前の持分割合は9.53%で、90.47%を追加取得して100%となります。取得の相手先は買い手の創業者であり代表取締役会長である個人で、住所は山口県山口市と記載されています(出典:株式会社秋川牧園 2024年3月11日公表資料)

開示された事実

譲受(買い手)株式会社秋川牧園(1380・東証スタンダード)
譲渡(売り手)買い手の創業者であり代表取締役会長である個人(開示資料に氏名の記載があるが本記事では再掲しない。住所は山口県山口市と記載)
譲渡対象秋川牧園(常州)農業有限公司(中国国内における若鶏の生産・販売)
所在地中華人民共和国(江蘇省常州市)
手法持分の譲受(持分割合9.53%から90.47%を追加取得して100%とし、子会社化)
対価取得価額 8,104千元(166,458千円)、アドバイザリー費用等(概算)53千元(1,088千円)、合計(概算)8,157千元(167,547千円)。カッコ内は1元=20.54円で換算。外部専門家による株式価値評価(時価純資産方式の手法によるもの)を参考に社内で検討し、相手方との交渉を経て決定したと記載
日程2024年3月11日 取締役会決議・契約締結/2024年3月15日 株式取得実行(予定)

対象会社は、所在地が中華人民共和国江蘇省常州市、事業内容が中国国内における若鶏の生産・販売、資本金が202,500千円、設立年月日が2019年4月16日、従業員数が10名です。買い手との関係について、買い手から9.53%の出資を行っており、買い手から2名出向し、営業取引はないが買い手から融資を行っていると記載されています(出典:株式会社秋川牧園 2024年3月11日公表資料)

対象会社の2023年12月期の財政状態は、純資産が8,279千元(170,055千円)、総資産が20,310千元(417,173千円)です。経営成績は売上高13,237千元(271,892千円)、営業利益が▲653千元(▲13,433千円)、当期純利益が▲612千元(▲12,586千円)です。カッコ内は1元=20.54円で換算されています(出典:株式会社秋川牧園 2024年3月11日公表資料)

開示資料は、対象会社が2023年2月末に秋川食品(常州)有限公司を吸収合併したため、2023年12月期の経営成績には秋川食品の2023年1月から2月の経営成績が含まれていないと注記し、参考情報として合算した数値も示しています。合算後は売上高14,307千元(293,868千円)、営業利益が▲232千元(▲4,780千円)です(出典:株式会社秋川牧園 2024年3月11日公表資料)

取得価額は、取得価額が8,104千元(166,458千円)、アドバイザリー費用等の概算が53千元(1,088千円)、合計の概算が8,157千元(167,547千円)です。開示資料は、取得価額については外部専門家による株式価値評価(時価純資産方式の手法によるもの)を参考に社内で検討し、相手方との交渉を経て決定したと記載しています(出典:株式会社秋川牧園 2024年3月11日公表資料)

開示資料は取得の理由について、買い手グループがこれまで食と農を事業のホームグラウンドとして日本国内で生産・加工・販売までを一貫して手掛けてきたが、今後の人口減少により食の市場縮小が懸念されることを挙げています。創業者が海外への市場拡大を見据えて2017年に若鶏の販売を担う会社を、2019年に若鶏の生産を担う会社を設立し、2023年2月末に後者が前者を吸収合併して対象会社となったと記載されています。

開示資料は、設立当初は法令や文化が異なることもあり苦難の連続だったが、数年前から生産面も安定化し、販売も外食店やスーパーを中心に売上を拡大している状況と記載しています。日程は、2024年3月11日が取締役会決議日と契約締結日、2024年3月15日が株式取得実行日(予定)です。

出典: 株式会社秋川牧園「秋川牧園(常州)農業有限公司の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年03月11日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

売り手は、この会社の創業者で、いまの代表取締役会長です。自社の会長から会社を買う取引です。

中小企業でもよくある形です。社長が個人で持っている別会社を、本体に移すときの話です。

身内の取引なので、値段の決め方が問われます。安ければ会社が得をし、高ければ会長が得をします。

ここでは外部の専門家に株式価値を評価させています。時価純資産という方法を参考にしたと書いています。

対象会社は赤字です。だから利益から値段を作る方法ではなく、持っている資産から作っています。

赤字の会社に値段を付けるとき、まず資産を時価で数え直すのは筋の通った考え方です。

もう一つ、この会社は前の年に別の会社を吸収合併しています。だから一年分の数字がそろいません。

開示は、合併前の二か月を足した参考値も並べています。期間をそろえてから比べる、という作法です。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。