紙の専門商社であるKPPグループホールディングスは2024年10月2日、連結子会社であるAntalis S.A.S.(フランス・パリ)が、Xerox Corporation(米国コネチカット州)から東欧諸国等におけるオフィス用紙事業(Xeroxブランドの使用権等)を譲り受けることに関する資産譲渡契約書等を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | KPPグループホールディングス株式会社(連結子会社Antalis S.A.S.が譲受)(9274・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | Xerox Corporation の東欧諸国等におけるオフィス用紙事業(Xeroxブランドの使用権等)(オフィス用紙の販売) |
| 所在地 | 東欧、バルカン半島、中東、インド、アフリカ |
| 手法 | 資産譲受(資産譲渡契約書等の締結。ブランドの使用権と独占販売権を含む。一部の国における契約は当局から競争法等の承認を取得することが要件) |
| 対価 | 非公表(開示資料に譲受価額の記載なし) |
| 日程 | 2024年10月2日 資産譲渡契約書等の締結(同日公表) |
開示資料によれば、一部の国における契約は、当局から競争法等の承認を取得することが要件となっています。譲受価額は開示資料に記載がありません(出典:KPPグループホールディングス株式会社 2024年10月2日公表資料)。
本契約には、東欧、バルカン半島、中東、インド、アフリカにおけるXeroxブランドのオフィス用紙及び特殊紙等の独占販売権も含まれており、譲受側は欧州、中東及びアフリカ地域の主要国における同ブランド紙の唯一の販売代理店となると記載されています。
買い手側の子会社は2013年に西欧におけるXeroxブランドの使用権を取得し、同地域でオフィス用紙事業を展開してきました。今回はその事業を東欧およびその他の地域に拡大するものであり、同ブランドのオフィス用紙の独占的な販売を可能とするものと説明しています。本件が今期連結業績に与える影響は限定的と見込んでいます(出典:KPPグループホールディングス株式会社 2024年10月2日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
この取引で動いたのは会社でも工場でもなく、名前を使う権利と、その地域で独占して売る権利です。人も設備も移りません。売り手は自分のブランドを持ち続けたまま、ある地域での販売だけを他社に任せています。
同じ買い手は、以前に別の地域で同じブランドの権利を取得しており、今回はその範囲を広げています。ひとつの取引で全部を渡すのではなく、地域ごとに区切って段階的に渡すという形です。
権利だけの取引でも、国によっては競争法の承認が要件になると書かれています。取引の形が軽いことと、手続が軽いことは別です。契約を結んでから実際に効力が出るまでに、待つ期間が入ります。
自社が持っているものの中で、名前や商標、独占的に扱える権利がどれなのかは、譲渡の話が出る前に一覧にしておく値打ちがあります。会社を売らずに、権利だけを譲る選び方があるということです。