オリコンは2024年10月15日、株式会社新旭の全株式を取得し、同社を連結子会社とすることを決定したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | オリコン株式会社(4800・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社新旭(メディア事業、プロモーション事業、デジタル事業、コンテンツ事業、音楽事業(広告企画制作)) |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 手法 | 株式取得(全株式を取得し連結子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に「当事者間の守秘義務契約に基づき非開示」と記載) |
| 日程 | 2024年10月15日に公表(取得の決定) |
開示資料によれば、取得株式数は182株で、取得後の議決権所有割合は100%です。取得価額は当事者間の守秘義務契約に基づき非開示とされ、対象会社の大株主と持株比率、経営成績および財政状態も同じ理由で非開示とされています。対象会社は2017年5月設立、資本金970万円です(出典:オリコン株式会社 2024年10月15日公表資料)。
対象会社は大手広告代理店の営業部門を統括していたメンバーを中心に設立された少数精鋭の広告企画制作会社で、大手クライアントのスポーツイベントのプロモーションやデジタルコンテンツ制作など、広告制作のノウハウを持つと記載されています。
取得の理由として同社は、対象会社のノウハウを活用することで自社のランキング対象企業に対してテレビ広告や動画広告をはじめとする付加価値の高いサービスメニューを提供できること、対象会社は自社の資金力を背景にさらなる事業拡大を目指すことを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
資本金が一千万円に満たない、設立から数年の会社です。それでも上場企業が全株式を取得しています。買い手が評価したのは設備でも実績年数でもなく、そこにいる人が持つ経験と取引先でした。会社の年齢と価値は別のものです。
株主構成も業績も、守秘義務契約により開示されていません。売り手が個人で、買い手にとって金額が小さければ、ここまで守れます。誰がいくらで売ったかを知られたくないという希望は、契約に書くことで実現します。
買い手が挙げた効果は、自社の既存の顧客に新しいサービスを売れるようになることでした。相手の商品を自社の顧客に載せる形です。自社が誰かの顧客名簿に載せられる商品を持っているかという見方をすると、候補が広がります。
同時に、対象会社の側には「買い手の資金力を背景に事業拡大を目指す」という理由が書かれています。小さい会社が自力では踏めない投資を、親会社の信用で踏めるようになる形です。譲渡を成長の手立てと考える余地があります。