日本エコシステムは2024年10月17日、ベニクス株式会社の全株式を取得しグループ化することについて、株主との間で株式譲渡契約を締結することを決議したと公表しました。決定・契約締結・譲渡実行はいずれも同日です。

開示された事実

譲受(買い手)日本エコシステム株式会社(9249・東証スタンダード・名証メイン)
譲渡対象ベニクス株式会社(合板および木材類の加工販売(防炎用合板・各種合板の加工製造。愛知県と三重県に自社工場))
所在地名古屋市港区
手法株式取得(株主から全株式を取得しグループ化)
対価取得価額1,080百万円、付帯費用1百万円
日程当社決定日・株式譲渡契約締結日・株式譲渡実行日 いずれも2024年10月17日(2024年10月10日の取締役会で契約締結の決定を代表取締役に一任)

開示資料によれば、取得株式数は40,000株で議決権所有割合は100%、取得価額は1,080百万円、付帯費用は1百万円です。対象会社は1972年3月設立、資本金20百万円で、防炎用合板・各種合板の加工製造を行い、関東・東海・関西エリアを中心に全国の専門商社や施工会社に販売しています(出典:日本エコシステム株式会社 2024年10月17日公表資料)。

開示資料には「本件株式取得の特徴」という項が設けられ、同社がM&A専門スタッフを置き、候補先の発掘から実行手続、統合工程までを自社内で行えるチームを組成してきたこと、本件はM&A仲介会社を介さずに自社内で実行した案件であることが記載されています。あわせて事業承継に関する自社の相談窓口も案内されています(出典:日本エコシステム株式会社 2024年10月17日公表資料)。

取得の理由として同社は、対象会社が愛知県と三重県に自社工場を持ち、政令で定める基準以上の防炎性能を持つ独自製品が大規模展示会や教育機関など幅広い場面で利用された実績を有すること、合板・パネル事業は将来性と高い収益性が期待できると判断したこと、対象会社の防炎用合板と自社が研究開発を進めている新素材との組み合わせによる新製品開発を進めることを挙げています。

出典: 日本エコシステム株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式取得(グループ化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ」(2024年10月17日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

買い手が「仲介会社を介さず自社内で実行した」とわざわざ開示しています。自社に探す人と進める人を置いている買い手が実際にいるということです。売り手から見れば、仲介を通さずに買い手側から直接声がかかる経路があるということになります。

その場合、間に立って両方の言い分を整理する人がいません。価格が妥当かどうか、契約の条項が自分に不利でないかを、売り手は自分で確かめることになります。相手が慣れていて自分が初めてであれば、自分の側にも見てくれる人を置くかどうかを決める必要があります。

買い手はあわせて、自社の事業承継の相談窓口を開示に載せています。買い手が自ら相談を受け付けているということで、譲渡を考える経営者の相談先は仲介会社だけではありません。ただし買い手は買う側なので、立場が違うことは踏まえておくことになります。

評価されたのは、基準を満たす性能を持つ独自製品と、それが使われてきた実績でした。規格や基準に適合していることが証明されている製品は、買い手が一から作るより引き継ぐほうが早い資産です。

契約の締結と譲渡の実行が同じ日です。しかも取締役会は一週間前に開かれ、最終の判断は代表者に任されていました。買い手の社内の段取りが整っていれば、条件が固まった日に一気に終わることもあります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。