デジタルものづくりを手がけるSOLIZEは2024年10月18日、取締役会において株式会社SiM24の株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | SOLIZE株式会社(5871・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社SiM24(受託解析(シミュレーション)) |
| 所在地 | 大阪市中央区 |
| 手法 | 株式取得(上場企業の大株主2社と個人株主から全株式を取得し子会社化) |
| 対価 | 普通株式90百万円 |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年10月18日/株式譲渡実行日 2024年10月31日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は1,020株で取得後の議決権所有割合は100%、取得価額は普通株式90百万円です。対象会社の株主は上場する電機メーカーが32.9%、別の法人が32.9%、個人が13.6%などを保有しています。対象会社は2005年4月設立、資本金51百万円で、純資産は直近3期で68,506千円、74,020千円、75,478千円、売上高は56,529千円、70,500千円、63,084千円、営業利益は6,304千円の損失、4,275千円、4,088千円です(出典:SOLIZE株式会社 2024年10月18日公表資料)。
対象会社は大手電機メーカーの社内ベンチャー制度により2005年に設立されたCAE受託解析の専業会社で、設計・製造現場の技術革新やコスト削減に貢献してきたと記載されています。設立当初からデジタルを活用した働き方改革に取り組み、受賞歴があるとしています。
取得の理由として同社は、対象会社が長年築いた数理統計処理手法を活用した最適化技術と、自社が得意とする解析・シミュレーション技術を組み合わせることで価値提供の向上と高度な技術課題の解決に取り組めること、両社が自動車・電子機器業界で培った解析技術を活用してアグリ・バイオなど新たな市場への参入を図ることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
大企業の社内ベンチャー制度から生まれた会社が、二十年ほど経って専業の会社へ渡っています。親会社の側も大株主として残っていました。社内で立ち上げた事業を切り離す形の承継は、実際に行われています。
株主が親会社・別の法人・代表者と三方に分かれていました。全株式を集めるには、立場の違う相手それぞれと合意する必要があります。出資を受けて始めた会社では、この構成が譲渡の段取りをそのまま決めます。
売上は数千万円台で、利益も小さく、年によって赤字もあります。それでも専業の技術会社として引き継がれました。買い手が見たのは、長年積み上げた解析の手法そのものです。規模と技術の値打ちは別に評価されます。
買い手が挙げた行き先は、既存の業界ではなく新しい市場への参入でした。同じ技術を別の分野へ持ち込むという使い方です。自社の技術が他の業界でも使えるなら、その説明は買い手にとっての価値になります。