介護・医療分野のクラウドサービスを手がけるカナミックネットワークは2024年10月29日、シンガポールのITコンサルティング会社THE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの株式を取得し、完全子会社化することを公表しました。相手方は個人株主2名です。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社カナミックネットワーク(3939・東証プライム)
譲渡対象THE WORLD MANAGEMENT PTE LTD(ITコンサルティング(販売管理・在庫管理・会計管理などのバックエンドシステムの導入コンサルティングとメンテナンス))
所在地シンガポール
手法株式取得。個人株主2名から発行済株式の100.0%を取得して完全子会社化
対価普通株式 5,000,000 SGD(約577百万円)、アドバイザリー費用等(概算額)44百万円。円貨換算は1SGD=115.30円(2024年10月25日時点)
日程取締役会決議・株式譲渡契約締結 2024年10月29日/株式取得日 2024年11月29日(予定)

対象会社は1980年1月2日設立、資本金50,000SGD、従業員25名(役員含む)で、シンガポール国内の企業に販売管理や在庫管理、会計管理などのバックエンドシステムの導入コンサルティングとメンテナンスサービスを提供しています。売上高は2,899,923SGD、3,444,497SGD、3,544,395SGDと推移しています(出典:株式会社カナミックネットワーク 2024年10月29日公表資料)。

取得株式数は50,000株で、所有割合は100.0%となります。取得価格は普通株式5,000,000SGD(約577百万円)とアドバイザリー費用等(概算額)44百万円で、円貨への換算は1SGD=115.30円(2024年10月25日時点)を使用したと記載されています。取得価額については、公平性・妥当性を確保するため第三者算定機関による株式価値の算定結果を勘案して決定したとしています(出典:株式会社カナミックネットワーク 2024年10月29日公表資料)。

取得の理由として買い手は、超高齢社会のヘルスケア分野と関連性の高い事業を推進する方針を挙げ、対象会社のバックエンドシステムと自社グループのフロントエンドシステムの開発力を組み合わせることで、総合的なITシステムを提供できるようになると説明しています。対象会社の顧客には介護事業や医療クリニックを手がけている企業も複数あるとしています。

買い手は、シンガポールを拠点にASEAN諸国をはじめとした東南アジアへの展開も見込んでおり、今回の株式取得が成長戦略における海外展開への本格的な着手になるとしています。株式取得日は2024年11月29日を予定しています(出典:株式会社カナミックネットワーク 2024年10月29日公表資料)。

出典: 株式会社カナミックネットワーク(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「THE WORLD MANAGEMENT PTE LTD の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ」(2024年10月29日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

取得価格が外貨で書かれ、そのうえで円に換算した金額と、換算に使った為替レートと、その基準日まで明記されています。海外の会社が相手だと、金額は為替で動きます。合意した日と支払う日が離れているほど、円で見た金額は変わります。どの時点のレートで数えるのかを契約で決めておく話です。

株式の代金とは別に、アドバイザリー費用等が並んで開示されています。会社を買うにも売るにも、代金以外に外部への費用がかかります。手元にいくら残るかを考えるときは、譲渡価額からこの種の費用を引いて見る必要があります。

売り手は個人株主二名です。設立から四十年以上たった会社を、個人が持ち続けていました。海外の会社でも、中身は日本の中小企業と同じ形をしていることがあります。従業員は二十五名です。

買い手が見ていたのは、対象会社の売上だけではありません。その顧客のなかに介護や医療クリニックを手がける企業が複数あることを、理由として挙げています。顧客が誰であるかが、買い手にとっての価値になる例です。自社の顧客の名簿は、見せ方を整えるだけで評価が変わります。

契約の締結から株式取得日まで、一か月が置かれています。海外の会社を取得する場合、現地の手続や許認可の確認に時間がかかります。国内だけで完結する取引より日程が長くなると考えておくほうが実際に近いです。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。