システム開発のCIJは2024年10月30日、株式会社アドバンスソフトの株式を取得し子会社化することを公表しました。取得株式数は160株で、議決権所有割合は80.0%となります。取得価額の記載はありません(出典:株式会社CIJ 2024年10月30日公表資料)。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社CIJ(4826・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社アドバンスソフト(ソフトウェア受託開発、保守・運用(電力会社向けの電力系統制御システム、発電計画システムなど)) |
| 所在地 | 愛知県名古屋市中区 |
| 手法 | 株式取得。個人株主から議決権の80.0%を取得して子会社化(残りは従前の株主が保有) |
| 対価 | 非公表(開示資料に取得価額の記載なし) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年10月30日/株式譲渡実行 2024年10月31日(予定) |
対象会社は2001年9月20日設立、資本金10百万円で、公表時点の大株主は個人株主が100%を保有していました。事業はソフトウェア受託開発、保守・運用です(出典:株式会社CIJ 2024年10月30日公表資料)。
買い手は、対象会社が2001年の設立以来、電力会社向けの電力系統制御システムや発電計画システムをはじめとしたソフトウェア開発(設計、製造、試験、保守運用)で取引実績を有し、社会インフラに関連するサービス提供を行ってきたことから顧客との信頼関係を構築している点に強みを持つと記載しています。
取得の目的として買い手は、労働人口の減少やIT技術の高度化を背景にIT人材の確保や開発技術者の育成が重要課題であると述べ、子会社化により必要とする技術領域や産業分野において両社の技術者のスキルアップや顧客層の拡大に取り組むとしています。
取締役会決議と契約締結は2024年10月30日、株式譲渡実行は翌日の10月31日を予定しています。2025年6月期の業績に与える影響は軽微としています(出典:株式会社CIJ 2024年10月30日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
取得したのは全株式ではなく、議決権の八割です。残りは従前の株主が持ち続けます。会社を渡す形は「全部か、ゼロか」ではありません。過半を渡して経営を任せ、一部を持ったまま残るという設計が実際に使われています。
一部を残す形には、前の株主が引き続き株主として関わるという意味があります。あとから残りを渡すのか、持ち続けるのか、配当や議決権をどう扱うのかを、最初の契約で決めておく必要があります。決めずに残すと、数年後に話が止まります。
買い手が挙げている理由は、技術者を確保できないことでした。仕事はあるのに人が採れないという課題は、同じ業界の中で買い手を生みます。技術者を抱えている会社は、規模が小さくても相談の相手が見つかります。
対象会社の強みとして書かれているのは、特定の分野で長く取引してきた実績と、そこで築いた信頼関係です。売上や利益ではなく、誰と何年やってきたかが理由になっています。取引の履歴は、決算書に載らない資産です。
契約の締結の翌日に株式譲渡が実行されています。株主が個人で、必要な承認が社内で済む場合、この速さで動けます。日程を左右するのは規模ではなく、株主の数と必要な手続の有無です。