エルテスは2024年11月21日、連結子会社である株式会社JAPANDXがクロスオーバーソリューションズ株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することを決議したと公表しました。取得株式数は普通株式4,000株で、議決権所有割合は100%となります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社エルテス(連結子会社の株式会社JAPANDXが取得)(3967・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | クロスオーバーソリューションズ株式会社(システムソリューション開発、VRシステム開発、ソーシャルゲーム開発運用、WEB制作運用) |
| 所在地 | 岩手県盛岡市 |
| 手法 | 株式取得。連結子会社が対象会社の全株式(普通株式4,000株・議決権所有割合100%)を取得し完全子会社化。取得実行日までに対象会社の全株式を個人株主1名が取得する予定 |
| 対価 | 普通株式400,000,000円、デューデリジェンス費用(概算額)5,000,000円、合計(概算額)405,000,000円 |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年11月21日/株式取得実行日 2024年11月28日(予定) |
取得価額は普通株式400,000,000円、デューデリジェンス費用の概算額5,000,000円で、合計の概算額は405,000,000円です。開示資料は、株式取得価額について外部専門家のデューデリジェンス(財務・法務)の結果に基づきDCF法による事業価値評価を実施し、相手先との協議により決定したと記載しています(出典:株式会社エルテス 2024年11月21日公表資料)。
対象会社は2017年4月17日設立、資本金10,000千円で、公表時点の大株主は個人株主が76%、法人が24%を保有しています。開示資料は、本件株式取得実行日までに対象会社の全株式を当該個人株主が取得する予定であると注記しています(出典:株式会社エルテス 2024年11月21日公表資料)。
対象会社の売上高は172,403千円(2022年6月期)、248,858千円(2023年6月期)、297,074千円(2024年6月期)、営業利益は6,517千円、50,062千円、70,110千円、純資産は19,657千円、52,333千円、96,772千円です(出典:株式会社エルテス 2024年11月21日公表資料)。買い手および取得主体である子会社は、対象会社に一部アプリ開発を委託していると記載されています。
取得の理由として買い手は、対象会社が放送局を中心としたクライアント向けにアプリ開発などのエンジニアリングサービスを提供し、主力アプリが全国11の放送局で導入されていると説明しています。開示資料は、本件株式取得実行日付で対象会社の商号変更を予定していると注記しています。株式取得実行日は2024年11月28日を予定しています(出典:株式会社エルテス 2024年11月21日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
ここでも、渡す前に株式を一人に集めるという段取りが取られています。個人と法人で分かれていた株式を、実行日までに個人がまとめて持つ形にしてから譲渡します。株主が分かれている会社は、まず集めるところから始まります。これは譲渡の話が始まってからでもできる作業です。
取得価額とは別に、デューデリジェンス費用の概算額が並んで開示されています。会社を買う側にも、調べるための費用がかかっています。売り手の側にも、資料を整える手間と費用が発生します。譲渡価額だけを見ていると、この部分が見えません。
価額の決め方が明記されています。財務と法務の調査結果を踏まえ、DCF法で事業価値を評価し、相手と協議して決めたという流れです。将来生み出す現金の見込みから値付けするという考え方が、規模の小さな会社にも使われています。
買い手はもともと、この会社に開発を委託していました。外注先を引き継いだ形です。仕事を出している相手は、相手の実力を一番よく知っている立場にあります。ふだんの取引関係は、買い手候補として近い位置にあります。
実行日付で社名を変える予定が、取得の公表と同時に書かれています。社名や屋号をどうするかは、渡す側にとって気になるところです。相手がどう考えているのかは、条件の話と同じくらい早い段階で確かめておく価値があります。