モバイル端末管理サービスを手がけるアイキューブドシステムズは2024年11月29日、東京証券取引所TOKYO PRO Market市場に上場するワンビ株式会社を連結子会社とすることを目的として、公開買付けを実施することを決議したと公表しました。公表時点で買い手は対象会社株式を所有していません。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社アイキューブドシステムズ(4495・東証グロース)
譲渡対象ワンビ株式会社(東証TOKYO PRO Market)(情報漏洩対策などのITセキュリティ)
所在地東京都
手法公開買付け(TOB)。連結子会社化を目的とし、上場は維持する方針のため買付予定数の下限と上限を同数に設定
対価1株1,200円。買付予定数の下限・上限はいずれも350,000株(所有割合47.43%、議決権割合では53.85%)。買付代金420百万円は所有する現預金より充当予定
日程取締役会決議 2024年11月29日/公開買付開始公告・届出書提出 2024年12月2日/買付け等の期間 2024年12月2日〜12月27日(20営業日)/決済の開始日 2025年1月9日

買付価格は1株1,200円、買付代金は420百万円で、買付予定数350,000株に買付価格1,200円を乗じた金額です。買付代金は買い手が所有する現預金より充当する予定としています(出典:株式会社アイキューブドシステムズ 2024年11月29日公表資料)。

買付予定数の下限は、応募合意株式と同数の350,000株(所有割合47.43%)です。開示資料は、この議決権数が3,500個であり、2024年9月30日時点の対象会社の総議決権数6,500個に対して議決権割合では53.85%になると注記しています(出典:株式会社アイキューブドシステムズ 2024年11月29日公表資料)。上限も下限と同数の350,000株とされており、理由として、上場廃止を企図するものではなく成立後も上場を維持する方針であることが挙げられています。

対象会社の代表取締役社長をはじめ複数の株主が応募契約を締結しています。開示資料によれば、代表取締役社長が所有株式212,500株(所有割合28.79%)、取締役が95,000株(12.87%)、法人株主が142,400株(19.30%)などを保有しています(出典:株式会社アイキューブドシステムズ 2024年11月29日公表資料)。応募契約を締結しない少数株主は1社のみであるため、買付け等の期間は最短の20営業日としたと記載されています。

対象会社は本公開買付けに賛同する意見を表明したうえで、買付価格の妥当性についての判断を留保し、株主が応募するか否かについては中立の立場を取って株主の判断に委ねる旨を決議したとされています。開示資料は、その理由として、買付価格が買い手と応募合意株主との協議・交渉により合意されたものであること、上場が維持されるため株主には引き続き株式を所有する選択肢にも合理性が認められることを挙げています。

出典: 株式会社アイキューブドシステムズ(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「ワンビ株式会社(証券コード:5622)の株式に対する公開買付け(子会社化)の開始に関するお知らせ」(2024年11月29日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

この公開買付けは、下限と上限が同じ株数に固定されています。応募を約束した株主の分だけを買い、それ以上は買わないという設計です。上場を続けるためです。全部を買わない取引は、こういう形でも起こります。

対象会社の取締役会は、価格が妥当かどうかの判断を留保し、中立の立場を取っています。賛同はするが、応募するかは株主自身で決めてほしいという態度です。価格が特定の株主との交渉で決まったものだからだと説明されています。誰と誰の間で決まった価格なのかは、その価格をどう受け取るかに関わります。

株主は代表取締役社長が三割弱、取締役が一割強、法人株主が二割弱と分かれていました。譲渡に応じる株主とそうでない株主が混在する形です。株式が分かれている会社では、全員の足並みが揃うとは限らないという前提で進める必要があります。

買付けの期間が最短の二十営業日である理由も書かれています。応募契約を結んでいない少数株主が一社だけだからです。相手が限られているなら手続は短くなります。日程の長さは、関わる人の数で決まります。

買付代金は手元の現預金から出すと書かれています。借入を使う場合と比べて、実行までの確実性が違います。相手がどう資金を用意するのかは、売り手にとっても確かめておく項目です。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。