食肉の加工・卸売を手がけるスターゼンは2024年12月4日、オーストラリアのYORKRANGE Pty Ltdの普通株式100株を取得し、議決権所有割合100%とすることを公表しました。相手方は個人株主1名で、氏名と住所は相手先の意向を踏まえて非開示とされています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | スターゼン株式会社(8043・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | YORKRANGE Pty Ltd(BROAD WATER DOWNS Pty Ltdの持株会社)(土地管理及び牛肥育会社への土地賃貸) |
| 所在地 | オーストラリア・クイーンズランド州 |
| 手法 | 株式取得。個人株主1名から普通株式100株(議決権所有割合100%)を取得 |
| 対価 | 普通株式55.9百万豪ドル(55.9億円)、アドバイザリー費用等(概算額)3.5百万豪ドル(3.5億円)、合計(概算額)59.4百万豪ドル(59.4億円) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年12月4日/株式譲渡実行 2025年2月28日(予定) |
取得価額は普通株式が55.9百万豪ドル(55.9億円)、アドバイザリー費用等の概算額が3.5百万豪ドル(3.5億円)で、合計の概算額は59.4百万豪ドル(59.4億円)です(出典:スターゼン株式会社 2024年12月4日公表資料)。
対象会社は1994年10月28日設立、資本金100豪ドル(10,000円)で、土地管理及び牛肥育会社への土地賃貸を事業としています。純資産は△2.6百万豪ドル、0.7百万豪ドル、5.7百万豪ドル、総資産は14.4百万豪ドル、17.7百万豪ドル、25.0百万豪ドル、売上高は1.2百万豪ドル、2.0百万豪ドル、1.7百万豪ドルと推移しています(出典:スターゼン株式会社 2024年12月4日公表資料)。
取得の理由として買い手は、中期経営計画で「海外事業の強化」を掲げ、豪州産牛肉の取扱いを拡大させていると説明しています。将来的に日本産和牛の生産頭数減少が懸念される中、豪州産のサプライチェーンを強化することが海外事業の拡大に寄与すると考えているとしています。
自社で牛肥育企業を経営することで給餌飼料や肥育方法の改善により品質を高め、自社ブランド牛の価値を向上させるとしています。株式譲渡実行日は2025年2月28日を予定しています(出典:スターゼン株式会社 2024年12月4日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
会社の規模と取得価額が、一見つながりません。売上は一億円台で、資本金は一万円です。それでも支払われるのは五十億円を超えます。この会社が持っているのは土地で、その土地を肥育会社に貸しているという構造でした。何を持っている会社なのかは、売上を見ても分かりません。
純資産は三期前にはマイナスでした。そこから増えて五億円台になっています。純資産がマイナスだった会社が、数年後に五十億円を超える金額で引き継がれています。ある時点の決算だけで会社の価値は決まりません。
売り手は個人一名で、氏名も住所も非開示です。相手先の意向によると明記されています。海外の取引でも、売り手が望めば名前を出さない形は取れます。
買い手が挙げている理由は、原材料を自分で作れるようにすることでした。仕入れる側から、育てる側に回るという動きです。自社が誰かの供給網の一部なら、その相手が自社を抱えたいと考える可能性があります。
契約から実行まで三か月近くあります。海外の会社を取得する場合、現地の手続や許認可の確認に時間がかかります。国内だけで完結する取引より日程が長くなると考えておくほうが実際に近いです。