AIソフトウェアを手がけるPKSHA Technologyは2024年12月6日、アーニーMLG株式会社の株式10,150株を追加取得し、完全子会社化することを決定したと公表しました。公表時点の議決権所有割合は39.9%で、取得後は100%となります。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社PKSHA Technology(3993・東証グロース)
譲渡対象アーニーMLG株式会社(AI SaaSの開発及び運営(音声認識関連))
所在地福岡県福岡市博多区
手法株式の追加取得。既に議決権所有割合39.9%を保有しており、10,150株を追加取得して100%とする
対価非開示(守秘義務により非開示。外部の専門家による株価評価を踏まえた協議により決定と記載)
日程取締役会決議・契約締結 2024年12月6日/株式譲渡実行 2024年12月25日(予定)

対象会社は2019年10月23日設立、資本金201百万円(資本準備金含む)で、独自開発の音声認識技術を保有し、音声認識関連のAI SaaSを開発・提供しています。売上高は86百万円、234百万円、494百万円、営業利益は▲96百万円、▲16百万円、78百万円、純資産は148百万円、141百万円、207百万円と推移しています(出典:株式会社PKSHA Technology 2024年12月6日公表資料)。

取得価額は守秘義務により非開示とされ、外部の専門家による株価評価を踏まえた協議により決定したと記載されています(出典:株式会社PKSHA Technology 2024年12月6日公表資料)。

開示資料は、両社がこれまで資本業務提携関係の中で、主にコンタクトセンター領域向けの音声認識関連AI SaaSの提供において技術連携を進めてきたと記載しています。対象会社が展開する議事録AIサービスは、音声認識精度の高さや利用しやすさが評価され、月間15万件以上の会議で利用されているとしています(出典:株式会社PKSHA Technology 2024年12月6日公表資料)。

子会社化により、両社がそれぞれ提供する音声認識関連AI SaaSの機能拡張を加速するとともに、共同での新たなAI SaaSの開発やAI Solutionと連携した付加価値の向上に取り組むとしています。株式譲渡実行日は2024年12月25日を予定しています。

出典: 株式会社PKSHA Technology(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「持分法適用関連会社アーニーMLG の異動(子会社化)に関するお知らせ」(2024年12月06日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

買い手はいきなり全部を買っていません。まず資本業務提携で一部の株式を持ち、一緒に仕事をし、そのうえで残りを取得しています。段階を踏む形は中小企業のM&Aでも使われます。互いに確かめてから全部を渡すという順番です。

この形の良い点は、相手の実力と相性を実際の仕事で確かめられることです。一方で、途中で止まる可能性も残ります。最初に一部だけ渡すときは、残りをいつ、どういう条件で渡すのかを決めておかないと、数年後に話が動かなくなります。

対象会社は二期前まで営業赤字でした。直近期で黒字になっています。赤字だった時期に資本を受け入れ、黒字になってから全部を渡す形になりました。赤字であることは、譲渡や資本提携ができない理由にはなりません。

売上は三期で大きく伸びています。買い手が挙げているのは技術と、そのサービスが実際に使われている量でした。利用者がどれだけいるかは、決算書の数字とは別の実績です。数えられる形で示せると、評価に直結します。

取得価額は非開示ですが、外部の専門家による株価評価を踏まえて決めたと書かれています。すでに株主だった相手から買う場合でも、第三者の評価を置いています。身内に近い相手との取引ほど、価格の根拠が問われます。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。