パーソルホールディングスは2024年12月11日、子会社のパーソルビジネスプロセスデザインが富士通コミュニケーションサービス株式会社の議決権の100%を取得することを公表しました。公表時点では富士通株式会社が100%を保有しています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | パーソルホールディングス株式会社(子会社のパーソルビジネスプロセスデザインが取得)(2181・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 富士通コミュニケーションサービス株式会社(ヘルプデスクやシステム運用を中心としたITアウトソーシングサービス、コンタクトセンター、バックオフィス、セールスサポート) |
| 所在地 | 神奈川県 |
| 手法 | 株式取得。富士通株式会社から議決権の100%を取得し、買い手の子会社が保有する |
| 対価 | 非開示(第三者機関によるデューデリジェンス及び価格算定を勘案し決定したと記載) |
| 日程 | 株式譲渡実行日 2025年2月3日(予定)。実行は独占禁止法第10条第2項に基づく届出に係る公正取引委員会審査の結果を前提とする |
対象会社は1994年12月に企業向けヘルプデスクサービスを提供するサービスプロバイダーとして設立され、2007年からは富士通株式会社の100%子会社となっています。売上高は22,717百万円、23,255百万円、23,891百万円、純資産は3,961百万円、4,663百万円、5,334百万円です(出典:パーソルホールディングス株式会社 2024年12月11日公表資料)。
取得価額については、第三者機関によるデューデリジェンス及び価格算定を勘案して決定していると記載されており、金額は開示されていません(出典:パーソルホールディングス株式会社 2024年12月11日公表資料)。
取得の目的として買い手は、市場が拡大しているIT-BPO領域において、これまで人材やナレッジ等の不足により市場ニーズに十分に対応できていなかったと述べ、本件によりIT領域における豊富な人材およびナレッジ等を獲得してこれを解決するとしています。
株式譲渡実行日は2025年2月3日を予定しています。開示資料は、実行が独占禁止法第10条第2項に基づく届出に係る公正取引委員会審査の結果において、実行を妨げる要因が存在しないことを前提とすると記載しています(出典:パーソルホールディングス株式会社 2024年12月11日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が自分の弱みを率直に書いています。人材とノウハウが足りず、市場の求めに十分に応えられていなかった、という書き方です。だから、それを持っている会社を迎える。買い手が何に困っているかを知ると、自社が誰の役に立てるのかが見えてきます。
評価されているのは設備でも技術でもなく、人です。ITの運用を担える人がいることが、この会社の価値でした。人が価値の中心にある会社では、譲渡のあとに人が残るかどうかが最大の論点になります。処遇の話は早い段階で詰める項目です。
売り手は大企業です。三十年続けてきた事業が、その分野を伸ばしたい会社へ移っています。会社を手放す理由は、後継者の不在だけではありません。
取得価額は開示されていません。第三者機関のデューデリジェンスと価格算定を勘案したと書かれています。金額を出さないことと、根拠を持たないことは別です。
実行は公正取引委員会の審査結果が前提です。公表から実行予定日まで二か月近くあります。同じ業界で規模が大きいと、当事者の合意だけでは実行できません。