建設業界向けのソフトウェアを手がけるArentは2024年12月13日、株式会社構造ソフトの株式(持分比率100%)を取得することを決議したと公表しました。取得株式数は50,000株で、取得後の議決権所有割合は100%となります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社Arent(5254・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社構造ソフト(建築関連パッケージソフトウェアの企画・開発・販売(構造計算ソフト、工程管理システム)) |
| 所在地 | 東京都北区 |
| 手法 | 株式取得。発行済株式50,000株(議決権所有割合100%)を取得 |
| 対価 | 非開示(株式取得先の要望により非開示。第三者による株式価値算定結果を勘案して決定と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年12月13日/株式取得実行 2025年1月6日(予定) |
取得価額は株式取得先の要望により非開示とされています。開示資料は、取得価額について公平性・妥当性を確保するため第三者による株式価値算定結果を勘案して決定したと記載しています(出典:株式会社Arent 2024年12月13日公表資料)。
対象会社は建築領域で活用される構造計算ソフトと、建築・土木領域の施工における工程管理システムの2つの領域でプロダクトを提供し、スーパーゼネコンをはじめとする広範な建設業界で活用されていると記載されています。
取得の理由として買い手は、対象会社のプロダクトを自社のプラットフォームと連携することで建設業界における業務効率の向上やプロジェクトの最適化を支援するとし、自社の開発リソースの活用や広範なクライアント基盤を通じた営業活動の拡大により、対象会社のビジネスに新たな成長の機会が広がると期待しているとしています。
開示資料は今後の方針として、M&A戦略において譲り受けた企業の文化や組織を尊重し、各社が「自主独立」の精神を保ちながら運営できる体制を維持することを基本方針としていると明記しています。株式取得実行日は2025年1月6日を予定しています(出典:株式会社Arent 2024年12月13日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が、引き継いだ会社の扱い方を文書で明記しています。文化や組織を尊重し、各社が自主独立の精神を保って運営できる体制を維持するという書き方です。譲渡を考える側にとって、相手がこれを言えるかどうかは条件と同じくらい大事です。口頭の約束は残りません。
評価されているのは、特定の分野に絞ったソフトウェアです。建築の構造計算という、使う人が限られる領域です。買い手は「ニッチな業務に対応するプロダクト」を集める方針を掲げています。狭い分野で使われていることは、それ自体が強みになります。
取得価額は売り手の要望により非開示です。上場企業が買い手でも、売り手が望めば金額を出さない形は取れます。金額を知られたくないという希望は、実務でよく出てきます。
買い手が挙げているのは、自社の開発力と顧客基盤を使って対象会社の商品をもっと売るということです。良い商品を持っているが売る力が足りない会社は、売る力を持つ相手のところで伸びる可能性があります。
決議から実行まで三週間ほどです。株主構成が単純で必要な手続が少なければ、この速さで動けます。日程を決めるのは金額の大小ではありません。