タイヤの住友ゴム工業は2025年1月8日、The Goodyear Tire & Rubber Companyから欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権等を取得することを取締役会で決議し、譲渡契約を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 住友ゴム工業株式会社(5110・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権等(タイヤ(商標権等の無形資産)) |
| 所在地 | 欧州・北米・オセアニア |
| 手法 | 資産の取得。会社や株式ではなく、商標権および契約上の権利等を取得する |
| 対価 | 取得価格526百万米ドル。別途、欧州製品の顧客移行等に関する移行サポート費用105百万米ドル、および初期在庫の買取り費用等をクロージング時に支払い予定(初期在庫の買取り費用等は現時点では未定で、クロージング時点の見込み額を仮払いし、後に価格調整を実施予定)。決済は自己資金および借入金等による現金 |
| 日程 | 取締役会決議・譲渡契約締結 2025年1月8日(日本時間)/クロージング 2025年5月(予定) |
取得する主な資産等は商標権および契約上の権利等で、526百万米ドルです。取得価格は526百万米ドルで、決済は自己資金および借入金等による現金です(出典:住友ゴム工業株式会社 2025年1月8日公表資料)。
開示資料は、これとは別に欧州製品の顧客移行等に関する移行サポート費用105百万米ドル、および初期在庫の買取り費用等を取得価格とあわせてクロージング時に支払う予定であると記載しています(出典:住友ゴム工業株式会社 2025年1月8日公表資料)。初期在庫の買取り費用等は現時点では未定で、クロージング時点において見込みの金額を仮払いし、クロージング後に在庫の確認を行って必要に応じて価格調整を実施する予定としています。
売り手の2023年12月期の連結売上高は20,066百万米ドル、売上総利益3,509百万米ドル、営業利益695百万米ドルです(出典:住友ゴム工業株式会社 2025年1月8日公表資料)。買い手と売り手にはタイヤの販売に関する取引関係があります。
クロージングは2025年5月を予定しています(出典:住友ゴム工業株式会社 2025年1月8日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
渡っているのは会社でも事業でもなく、商標権です。つまりブランドの名前そのものを買っています。無形の資産だけを取引の対象にすることもできる、ということです。
自社が長く使ってきた屋号やブランドに、値段が付くことがあります。会社を渡さずにブランドだけを譲る、あるいはブランドは残して事業だけを渡す、という切り分けも理屈のうえでは可能です。何を渡して何を残すかを考えるときの選択肢に入ります。
代金以外に、顧客を移行させるための支援費用が別に計上されています。買っただけでは商売が続かないので、引き継ぎの作業に費用がかかるということです。渡す側にも、引き継ぎに手間と時間がかかります。
在庫の買取り費用は「現時点では未定」で、仮に払ってから後で実際の在庫を確認して精算すると書かれています。在庫の金額は数えるまで確定しません。在庫を持つ事業を渡すときは、この精算の取り決めが必要になります。
買い手と売り手には、もともとタイヤの販売という取引関係がありました。取引のある相手同士の取引です。ふだんの取引先は、相手の事情を知っている近い存在です。