不動産のオープンハウスグループは2025年1月10日、東京証券取引所スタンダード市場に上場する株式会社プレサンスコーポレーションを完全子会社化することを目的として、公開買付けを実施することを公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社オープンハウスグループ(3288・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社プレサンスコーポレーション(東証スタンダード)(分譲マンションの企画・開発・販売) |
| 所在地 | 大阪府 |
| 手法 | 公開買付け(TOB)。完全子会社化を目的とする。マジョリティ・オブ・マイノリティの買付予定数の下限は設定していない |
| 対価 | 1株2,390円。買付代金60,678,555,630円(買付予定数25,388,517株×2,390円)。買付予定数の下限2,255,228株(所有割合3.25%)、上限なし |
| 日程 | 公表 2025年1月10日/公開買付開始公告・届出書提出 2025年1月14日/買付け等の期間 2025年1月14日〜2月26日(30営業日)/決済の開始日 2025年3月5日 |
買付価格は1株2,390円です。開示資料によれば、買い手は2024年12月9日に2,075円(前営業日である12月6日の終値1,886円に対して10.02%、過去1ヶ月間の終値単純平均1,866円に対して11.20%のプレミアム)とする初回の価格提案書を提出しましたが、対象会社から対象会社側の第三者算定機関による試算結果を踏まえた回答を受け、最終的に2,390円となりました(出典:株式会社オープンハウスグループ 2025年1月10日公表資料)。
買付代金は60,678,555,630円で、買付予定数25,388,517株に買付価格2,390円を乗じた金額です。買付予定数の下限は2,255,228株(所有割合3.25%)で、上限は設定されていません(出典:株式会社オープンハウスグループ 2025年1月10日公表資料)。
開示資料は、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」の買付予定数の下限を設定していないことについて、設定すると公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって応募を希望する少数株主の利益に資さない可能性もあると考えたためと説明しています。そのうえで、公正性を担保するための措置を講じていることから少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとしています(出典:株式会社オープンハウスグループ 2025年1月10日公表資料)。
買い手は2024年11月中旬から12月上旬までデュー・ディリジェンスを実施し、12月上旬から取引の諸条件に関する協議を開始したとしています。買付け等の期間は2025年1月14日から2月26日までの30営業日、決済の開始日は2025年3月5日です(出典:株式会社オープンハウスグループ 2025年1月10日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
初回の提示から最終の価格まで、一割五分ほど上がっています。上がったきっかけは、対象会社側が自前の算定機関の試算を示したことです。相手の言い値に対して、自分の側の根拠を出す。それが価格を動かしています。
つまり、売り手側にも算定は必要だということです。買い手は必ず自分の算定を持ってきます。こちらに数字の裏付けがなければ、比べる基準がありません。中小企業の譲渡でも、自社の価値を自分の側から説明できる材料を持つかどうかで結果が変わります。
応募の下限が三パーセント台という低い水準に置かれています。低く置けば成立しやすくなります。買い手が「まず成立させたい」と考えているときの設計です。条件のどこに買い手の本気度が表れるかを読む手がかりになります。
少数株主だけの過半数を条件にしない理由も、開示資料に書かれています。条件にすると成立が不安定になり、売りたい株主の利益にもならない、という整理です。誰の利益をどう守るのかという説明が、条件ごとに付いています。
調べる作業は約一か月で、そのあと条件の協議に入っています。調査が終わってから値段の話が本格化するという順番です。資料を整えておくほど、この期間は短くなります。