クリヤマホールディングスは2025年2月14日、取締役会において、連結子会社のクリヤマジャパン株式会社が株式会社ミトヨの発行済株式の100%を取得し孫会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | クリヤマホールディングス株式会社(連結子会社のクリヤマジャパン株式会社が取得)(3355・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ミトヨ(自動車用ゴム・樹脂・金属製品、産業資材の製造および販売(タイ・中国に現地法人)) |
| 所在地 | 東京都中央区 |
| 手法 | 株式取得(投資事業有限責任組合ほかから発行済株式の100%を取得し孫会社化) |
| 対価 | 6,100百万円(開示資料に「アドバイザリー費用等を含んでいない」と注記) |
| 日程 | 取締役会決議・株式譲渡契約締結 2025年2月14日/株式譲渡実行日 2025年4月2日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は679,530株、取得価額は6,100百万円で、アドバイザリー費用等は含んでいないと注記されています。対象会社の株主は、事業承継やグループからの独立、IPO支援の機会に国内中堅中小企業の株式を取得することを目的とする投資事業有限責任組合が78.9%、事業会社が10.8%、その他個人株主が10.3%を保有しています(出典:クリヤマホールディングス株式会社 2025年2月14日公表資料)。
対象会社は1965年12月設立、資本金425百万円で、自動車部品事業とホース・パイプ事業を主要な事業とし、タイと中国に現地法人を有しています。連結の売上高は直近3期で10,857百万円、11,501百万円、12,586百万円、連結営業利益は164百万円、34百万円の損失、207百万円です。これらの業績数値は会計監査を受けていないこと、連結数値は財務デューデリジェンスの過程で算出された概算であることが注記されています(出典:クリヤマホールディングス株式会社 2025年2月14日公表資料)。
取得の理由として同社は、産業資材事業とスポーツ・建設資材事業の中長期的な事業拡大と市場競争力の強化を目的としていること、自社グループが製造する尿素水品質センサーから対象会社が製造する尿素タンクまで一気通貫での製造が可能になること、建機・農機メーカーとの取引を強みとする自社と自動車部品・商用車メーカーとの取引を強みとする対象会社のノウハウを結集して新規製品の開発を加速できること、エンジニアの人財交流を促進できることを挙げています。なお、開示時点で自社子会社と対象会社の間には尿素SCR関連商材にかかる取引関係があるとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
対象会社の株式の大部分を持っていたのは、事業承継やグループからの独立を機会に中堅中小企業の株式を取得することを目的としたファンドでした。ファンドが引き受けた会社が、数年後に事業会社へ渡るという流れです。ファンドへの譲渡を検討する経営者にとって、その先に何が起きるかを示す実例になります。
ファンドが大半を持ちながら、事業会社と個人株主も株式を残していました。全部を渡さず一部を持ち続ける形は実際にあります。ただし、最終的に会社ごと動くときには、残した株式もあわせて動くことになります。どの段階でいくら渡すかは、最初の契約で決まります。
業績数値が会計監査を受けていないこと、連結の数値が財務デューデリジェンスの過程で算出した概算であることが、開示のなかで明示されています。非上場の会社では、買い手が自ら数字を作り直すことがあるということです。日頃の帳簿が整っているかどうかが、そのまま調査の期間と手間に跳ね返ります。
買い手と対象会社は、すでに部品の取引先同士でした。相手の製品の品質を知っていて、自社の製品の隣に置く意味も分かっている。取引を通じた関係が、そのまま譲渡の話につながるという道筋です。