家事代行のマッチングプラットフォームを運営するCaSyは2025年2月17日、取締役会において株式会社すっきりマイスターの株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社CaSy(9215・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社すっきりマイスター(ハウスクリーニング) |
| 所在地 | 埼玉県志木市 |
| 手法 | 株式取得(個人株主から全株式を取得し子会社化) |
| 対価 | 普通株式1,500万円(開示資料に「アドバイザリー費用等は発生しておりません」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2025年2月17日/株式譲渡実行日 2025年2月28日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は100株で議決権所有割合は100.0%、取得価額は普通株式1,500万円で、アドバイザリー費用等は発生していないと記載されています。対象会社は2015年10月設立、資本金100万円で、株式は個人1名が100%保有しています。純資産は直近3期で12百万円の負債超過、11百万円の負債超過、4百万円の負債超過、売上高は33百万円、39百万円、42百万円、営業利益は11百万円の損失、0百万円、7百万円です(出典:株式会社CaSy 2025年2月17日公表資料)。
対象会社は開示時点で同社との間にハウスクリーニング業務の委託の取引関係があるとされています(出典:株式会社CaSy 2025年2月17日公表資料)。
取得の理由として同社は、対象会社が専門的な器具を使う清掃のノウハウを持ち、自社の家事代行と比べてより専門性が高いこと、自社のプラットフォームでハウスクリーニングの訴求を強化することで既存顧客への提供価値の向上を見込めること、自社のスタッフ採用力を活用して対象会社のサービス提供基盤を拡大できることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
開示に「アドバイザリー費用等は発生しておりません」と明記されています。買い手と売り手がもともと業務委託の取引関係にあり、間に立つ者を置かずに話が進んだということです。相手が既に決まっている場合、仲介を使わない選択も成り立ちます。ただしその場合、価格の妥当性や契約の内容を誰が確かめるのかを自分たちで決めることになります。
対象会社は純資産が負の状態が続いていますが、直近では赤字幅が縮まり、営業利益も黒字です。金額としても、上場企業の買収としては小さいほうです。小規模で債務超過の会社でも、相手にとって必要なノウハウがあれば引き継がれます。
買い手が欲しかったのは、自社のサービスに足りない専門性でした。マッチングの場を持っている側が、その場に載せる技術を買う形です。自社が誰かの品揃えの一部になれるかという見方をすると、候補となる相手が広がります。
契約から譲渡の実行までひと月もありません。相手を探す必要がなく、調べる範囲も限られていれば、手続きは短くて済みます。M&Aに時間がかかるのは、相手探しと相互の確認の部分だということが分かります。