廃棄物処理を手がけるミダックホールディングスは2025年4月11日、取締役会において大平興産株式会社の全株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。対象会社の資本金の額が自社の資本金の額の10%以上となるため、特定子会社に該当することとなるとしています。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社ミダックホールディングス(6564・東証プライム・名証プレミア) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 大平興産株式会社(産業廃棄物・一般廃棄物の最終処分および収集運搬(千葉県内で管理型最終処分場を運営)) |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 手法 | 株式取得(個人株主3名から議決権のある全株式を取得し子会社化。特定子会社に該当) |
| 対価 | 約100百万円 |
| 日程 | 取締役会決議 2025年4月11日/株式譲渡契約締結日・株式譲渡実行日 いずれも2025年4月14日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は78,629株、取得価額は約100百万円で、取得後の議決権所有割合は100.0%です。同社は取得前から議決権のない株式7,577株(出資比率8.8%・議決権比率0%)を保有していました。対象会社の株主は個人3名がそれぞれ84.6%、3.4%、3.2%を保有していました。対象会社は1971年7月設立、資本金66,200千円で、純資産は直近3期で4,833百万円、5,391百万円、5,659百万円、売上高は1,614百万円、1,856百万円、1,466百万円、営業利益は280百万円、564百万円、258百万円です(出典:株式会社ミダックホールディングス 2025年4月11日公表資料)。
同社は連結業績への影響を精査中としつつ、今後の公正価値評価による見通しとして資産の再評価を予定しているため、特別利益の発生は現時点では見込んでいないとしています(出典:株式会社ミダックホールディングス 2025年4月11日公表資料)。
対象会社は1974年に安定型最終処分場を開設し、1985年に開設した管理型最終処分場を現在まで運営しており、1997年に産業廃棄物処理業者としては国内初となるISO14001を取得したと記載されています。開示時点で同社は対象会社の廃棄物処理案件の仲介管理を行っているとしています。
取得の理由として同社は、最終処分場における戦略的なM&Aの一環として、千葉県内で管理型最終処分場を運営する対象会社を子会社化することで関東エリアでの事業エリアの拡大が実現したこと、長期的には最終処分場の拡張も視野に入れていることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
帳簿上の純資産が大きい会社ですが、取得価額はそれをはるかに下回っています。開示は「資産の再評価を予定しているため特別利益の発生は見込まない」としています。帳簿の純資産がそのまま価格になるわけではないということを、はっきり示す例です。
最終処分場のような事業では、埋め立てたあとの管理や原状回復に将来の負担が伴います。帳簿に載っている資産と、実際に引き継ぐ責任の大きさは別です。設備や土地を多く持つ会社では、こうした将来の負担をどう見るかが価格の中心になります。
買い手は取得前から、議決権のない株式を持っていました。議決権のない株式は持株比率には現れても、経営には関与できません。種類株式がある会社では、誰がどの種類の株式を持っているかを整理しておかないと、支配関係を読み違えます。
買い手と対象会社は、すでに廃棄物処理案件の仲介管理という取引関係にありました。取引を通じて処分場の実情を知っていたことが、この価格での合意につながっていると読めます。相手を知っていることは、買う側のリスクを下げます。