製造生産系の人材サービスを主力とするNISSOホールディングスは2025年4月17日、取締役会においてオールジヤパンガード株式会社の発行済全株式を取得し、子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | NISSOホールディングス株式会社(9332・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | オールジヤパンガード株式会社(各種警備の請負とその保障(公共施設の施設警備、交通警備)) |
| 所在地 | 愛知県名古屋市中区 |
| 手法 | 株式取得(個人株主から発行済全株式を取得し子会社化) |
| 対価 | 非公表(開示資料に「相手先との協議により非開示。外部の専門家による株式価値評価および法務・財務に関する調査の結果等を合理的に勘案のうえ、公正妥当と考えられる金額」と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・株式譲渡契約締結 2025年4月17日/株式譲渡実行日 2025年4月25日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は160,000株で議決権所有割合は100%、取得価額は相手先との協議により非開示としつつ、外部の専門家による株式価値評価と法務・財務に関する調査の結果等を合理的に勘案のうえ公正妥当と考えられる金額で取得したとしています。株式は個人1名が100%保有し、その住所は守秘義務に基づき非開示です。対象会社は1970年10月設立、資本金80百万円で、売上高は直近3期で251百万円、273百万円、249百万円、営業利益は62百万円、71百万円、61百万円です(出典:NISSOホールディングス株式会社 2025年4月17日公表資料)。
対象会社は主に公共施設の施設警備や交通警備を行う55年の業歴を持つ企業で、設立以来、安定した財務基盤を維持していると記載されています。
取得の理由として同社は、自社グループのミッションの一環として幅広い年代が活躍できる機会を提供することを目指していること、警備業は新たな領域だが人を起点としたサービスを提供している点や従業員へのホスピタリティに重きを置いた社員教育を施している点など自社事業との類似点が多いこと、警備業界の人手不足が深刻化するなかで自社グループとの連携により必要な人材を迅速に確保できると判断したことを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
売上は数億円規模ですが、営業利益率は高く、純資産も総資産に近い水準です。借入に頼らず、利益を積み上げてきた会社の姿です。規模は小さくても財務が健全な会社は、買い手から見て扱いやすい相手になります。
買い手は人材サービスの会社で、警備業は初めての領域だと自ら述べています。そのうえで「人を起点としたサービス」という共通点を理由に挙げています。異業種からの買い手は、業種そのものではなく事業の仕組みの共通点で判断します。自社の仕組みを言葉にできると、候補の幅が広がります。
買い手が具体的な効果として挙げたのは、人材の確保でした。人手不足で受注を伸ばせない会社にとって、人を集める力を持つ相手と組むことは事業の制約を外すことになります。これは譲渡を考える側の動機としても成り立ちます。
契約から譲渡の実行までひと月もありません。株主が一人で、条件が固まっていれば手続きは早く終わります。株式が集まっていることは、日程の面でも有利に働きます。