在宅マッサージを手がけるフレアスは2025年6月2日、株式会社リベルケアに対して、メディカルケア事業に含まれる医療対応型療養施設および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部を譲渡することを取締役会で決議したと公表しました。この案件では、上場会社が事業を譲り渡す側になります。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社リベルケア(譲受側)
譲渡対象株式会社フレアスのメディカルケア事業の一部(譲渡側は東証グロース上場・コード7062)(医療対応型療養施設(ホスピス)の全部および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部)
所在地—
手法事業譲渡(上場会社が自社の事業の一部を譲渡する側。開示資料は「譲渡することについて決議」としつつ、理由の中では「譲渡する協議を行うことといたしました」とも記載)
対価650,000,000円(見込。開示資料に「譲渡する対象の詳細は交渉中であり、金額については精査中」と記載)
日程取締役会決議・契約締結日 2025年6月2日/事業譲渡期日 2025年9月1日(予定)

開示資料によれば、譲渡する事業は医療対応型療養施設(ホスピス)の全部と、看護小規模多機能型居宅介護施設のうち6施設を除く施設です。対象となるメディカルケア事業の2025年3月期実績は売上高2,235百万円(全社7,582百万円に対する比率29.5%)、営業損益は▲620百万円(全社▲105百万円)です(出典:株式会社フレアス 2025年6月2日公表資料)。

譲渡価額は650,000,000円(見込)で、譲渡する事業の資産・負債の主な項目はリース資産3,933百万円、のれん225百万円、建物附属設備180百万円、リース負債3,677百万円と記載されています。譲渡する事業の従業員数は573名(全社1,180名の48.6%)で、譲受先への転籍を前提としています。事業譲渡期日は2025年9月1日の予定です(出典:株式会社フレアス 2025年6月2日公表資料)。

フレアスは、ホスピス事業を中心とした成長を基本戦略としてきたものの、利用者の獲得や人材の採用に遅れが生じるなど厳しい状況が続いていたと説明しています。すでにホスピス事業を展開し今後さらに拡大を予定しているリベルケアへ譲渡することで、事業の発展につながり、現在入居している利用者にも継続してサービスを提供できるとし、自社は祖業であるマッサージ直営事業およびフランチャイズ事業へ経営資源を集中するとしています。

開示資料は、譲渡する対象の詳細は交渉中であり金額については精査中としています。

出典: 株式会社フレアス(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「事業の一部譲渡に関するお知らせ」(2025年06月02日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

広げた事業から退き、元の本業に集中するという判断です。M&Aは会社を手放すためだけのものではなく、事業の組み替えの手段にもなります。

譲渡先を選んだ理由として、すでに同じ事業を展開しており今後拡大を予定していること、そして現在の利用者へのサービスが続けられることが挙げられています。価格だけで相手を決めているわけではない、という点が明記されています。

事業が赤字であっても、その事業を伸ばそうとしている相手にとっては意味を持ちます。自社では続けられないと判断したとき、たたむのか、譲るのか。譲る選択があることを示す例です。

譲渡する事業の従業員が譲受先へ転籍することを前提としていると明記されています。事業譲渡では従業員の雇用は自動的には移らず、一人ずつの同意が必要になります。人数が多い事業ほど、この同意を取る作業が日程を左右します。

この業種のM&A・事業承継のページを見る

本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。