fonfunは2026年8月24日、連結子会社の株式会社YNPが、インサイドグロース株式会社の運営するカスタマー派遣事業(付帯する人材紹介事業を含む)を、吸収分割により承継することを決定したと公表しました。同日に吸収分割契約を締結し、効力発生は2026年10月1日の予定です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社fonfun(連結子会社の株式会社YNPが承継会社)(2323・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | インサイドグロース株式会社のカスタマー派遣事業(付帯する人材紹介事業を含む)(カスタマー派遣・人材紹介(大手通信事業者等が主な顧客)) |
| 所在地 | 東京都 |
| 手法 | 吸収分割(会社分割)。インサイドグロース社を分割会社、YNPを承継会社とし、対象事業の労働契約その他の権利義務を承継。簡易吸収分割に該当 |
| 対価 | 分割対価 金銭325百万円(YNPの株式等の交付なし)。第三者算定機関のDCF法による算定レンジの範囲内と記載 |
| 日程 | 取締役会決議・吸収分割契約締結 2026年8月24日/効力発生 2026年10月1日(予定) |
開示資料によれば、対象事業は大手通信事業者などを顧客基盤とし、直近期(2026年3月期)の業績は売上高1,015百万円、EBITDA163百万円です。承継する事業には200名近い従業員が在籍し、分割対価は金銭325百万円で、独立した第三者算定機関がDCF法で算定した事業価値のレンジの範囲内としています。対象事業に係る資産・負債は原則として承継の対象とせず、従業員の退職給付債務相当額は承継するとしています(出典:株式会社fonfun 2026年8月24日公表資料)。
fonfunは目的として、中期経営計画でM&Aによる成長を掲げていること、承継会社YNPのSES事業との人材面の親和性、安定した継続収益の獲得を挙げています。
出典: 株式会社fonfun(TDnet適時開示)「連結子会社(株式会社YNP)によるインサイドグロース株式会社のカスタマー派遣事業譲受に関するお知らせ」(2026年08月24日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
会社の株式ではなく「事業」だけを、会社分割という方法で引き継ぐ例です。事業譲渡と違い、会社分割では労働契約などの権利義務が契約の定めに従って包括的に承継されるため、従業員が多い事業の切り出しに使われることがあります。
分割対価の根拠として、第三者算定機関の算定レンジと、デューデリジェンスの結果を総合して決めたことが書かれています。事業の価値を将来のキャッシュフローで評価し、その幅の中で合意するという考え方は、中小企業の事業譲渡でも同じです。
資産・負債は原則承継せず、退職給付債務相当額だけを承継するという線引きが明記されています。何を引き継ぎ、何を残すかを契約で細かく決めることが、事業の切り出しでは中心的な作業になることが分かります。